つないだ手 保育園 手遊び歌
つないだ手 保育園 手遊び歌のねらいと導入
つないだ手を使う手遊び歌は、「歌を歌う」だけでなく、子ども同士・保育者と子どもの関係をその場で“見える形”にしやすいのが強みです。二人組で向かい合ったり、輪になったりすると、目線・距離・動きがそろい、集団のテンポが整います。
また、ふれあい遊びの文脈では、触れ合いそのものが安心感につながり、情緒の安定や信頼関係(愛着)づくりに役立つと整理されています。特に、登園直後や切り替えが苦手な時間帯は「つないだ手」という合図が、活動へのスイッチになりやすいです。
導入のコツは、歌に入る前の“手のつなぎ方”を、短い言葉で統一することです。次のように声かけを固定すると、毎回の説明が短くなり、クラス運営が安定します。
・「やさしい手で、ギュッじゃなくて、ふわっ」
・「おへそは前、足は止まる、手はにげない」
・「困ったら先生を見る」
そして最初の1回は、子どもにやらせる前に「大人が見本を見せる」のが効果的です。なべなべそこぬけのポイントとしても、まず大人がやってイメージを持たせることが挙げられています。
ここで大切なのは、上手に成功させることより「失敗してももう一回やる空気」を作ることです。手遊び歌は“練習”ではなく“遊び”なので、笑ってやり直せる雰囲気が活動継続の鍵になります。
つないだ手 保育園 手遊び歌「なべなべそこぬけ」遊び方と安全
「なべなべそこぬけ」は、向かい合って両手をつなぎ、歌に合わせて左右に手を揺らし、「かえりましょ」で手をつないだままひっくり返って背中合わせになり、もう一度歌って元に戻る歌あそびです。少人数から大人数まで人数を増やして楽しめる点も特徴として紹介されています。
この遊びは“つないだ手を離さずに回る”工程があるため、保育園で行うときは、安全面のルール設定が実践の質を左右します。
安全の基本ルール(掲示しても良いくらい定番化がおすすめ)
・走らない(回る=走る、になりやすい)
・引っぱらない(相手を回すのではなく、自分がくぐる)
・痛いと言われたら即ストップ
・手がほどけたら「止まって先生」
遊び方を安定させる“技術”は2つです。
1つ目は、ひっくり返る時に「2人が同じ方向を向いて、つないだ手の輪をくぐる」とうまくいくというポイントです。これを保育者の言葉に落とすなら、「回るんじゃなくて、トンネルをくぐる」と言うと伝わりやすいです。
2つ目は、最初は必ず2人組で成功体験を作り、慣れたら3人・4人へ増やすことです。いきなり大人数の輪にすると、手が離れたり、回転方向が混乱したりして事故リスクが上がります。
年齢別の“現実的な”アレンジ(無理なく成立させる)
・1〜2歳児:保育者と1対1、または2対1で「左右にゆらゆら」までにする(ひっくり返りはしない)。
・3歳児:2人組で背中合わせまで挑戦、成功したら拍手で達成感を共有。
・4〜5歳児:3〜4人グループ化し、「誰がどっち向き?」の相談も遊びの一部にする。
参考リンク(遊び方・ポイントの根拠/つないだ手で回る工程の説明)
なべなべそこぬけの歌詞と、向かい合って両手を繋ぎ、左右に揺らして「かえりましょ」でひっくり返る手順と注意点がまとまっています。
つないだ手 保育園 手遊び歌「茶つみ」リズムと協調
「茶つみ」は2人で行う手遊びの“上級編”として紹介され、相手と息を合わせる調整力や、コミュニケーションの基礎につながる遊びとして位置づけられています。特に導入しやすいのが、「せっ・せっ・せの」で“つないだ手を拍子に合わせて上下する”簡単な振り付けから始める段階です。
つまり、狙いワードの「つないだ手」を最もストレートに使えるのが、この冒頭部分です。
現場での組み立て例(活動を崩さない進め方)
・ステップ1:保育者が見本(テンポはゆっくり、子どもは見るだけ)
・ステップ2:保育者+子どもで「つないだ手を上下」だけやる
・ステップ3:慣れた子から、2人組で挑戦(失敗OKの前提)
・ステップ4:慣れてきたら手拍子や交互に手を打つ動きへ
テンポ調整の小技
・歌を速くするより、動きを小さくする方が安全で、成功率が上がります。
・慣れるまでは、BGMとして歌うのではなく「掛け声」に近い明瞭さで歌うと、動きがそろいます。
子どもが混乱しやすいポイントは「左右」「交互」「交差」です。ここを言葉で説明しすぎると難しくなるので、最初は“ルールを減らす”のがコツです。例えば、最初の1週間は「つないだ手を上下」だけで終えても十分に活動として成立します。
参考リンク(茶つみの振り付け/つないだ手を上下する説明の根拠)
「茶つみ」の簡単な振り付けとして、「せっ・せっ・せの」でつないだ手を拍子に合わせて上下することや、手を交差して打つ流れが説明されています。
つないだ手 保育園 手遊び歌と手指の発達
つないだ手の手遊び歌は、ふれあいの側面が目立ちますが、実は「手指の基礎動作」も同時に育てやすい活動です。たとえば「むすんでひらいて」では、グーとパーの動きが手と指の発達の土台になると説明されています。
ここで重要なのは、つないだ手の遊び(協調・安心感)と、グー・パー系の遊び(手指の基礎)を“同じ日の流れ”に並べると、活動の意味づけが強くなることです。
おすすめの流れ(1日の中で自然につながる)
・導入:つないだ手で短いふれあい(茶つみの冒頭、または手を上下だけ)
・集中:むすんでひらいてで手指の切り替え(グー→パー)
・発散:なべなべそこぬけ(揺れ→回転が入る場合も)
この順番にすると、いきなり回転系に入らず、手の準備運動(グー・パー)をしてから大きい動きへ移れます。運動遊びとしての事故予防にもつながり、保育者の安心感も増します。
子どもの“できた”を拾う観察ポイント(記録にも使える)
・手をやさしくつなげた(力加減)
・相手の動きを見て合わせた(協調)
・テンポが速くなっても崩れにくくなった(調整)
・「もう一回!」の要求が出た(主体性)
参考リンク(グー・パーが手指発達の土台である説明)
「むすんでひらいて」に含まれるグーとパーの動きが、手と指の発達の土台になると説明されています。
つないだ手 保育園 手遊び歌の独自視点:離さない練習より「離して戻る」合図
検索上位の多くは「手を離さない」「うまくひっくり返る」など成功のコツに寄りますが、現場の事故予防で効くのは、実は“失敗時の動き”を決めておくことです。つないだ手の遊びでは、手が離れた瞬間に子どもが焦って走ったり、もう一度つかもうとして引っぱり合いになったりしやすいからです。
そこで、あえて「離さない練習」を増やすより、離れたときの合言葉と戻り方を、最初から遊びの一部にしてしまう方法が有効です。
実践しやすい「リカバリー合図」例(たった一言で揃える)
・合言葉:「ストップ、手はおひざ」
・保育者の動き:両手を見せて止まるジェスチャー
・子どもの動き:その場で止まる→相手を見る→先生を見る
この合図が入ると、手が離れても活動が崩れにくくなります。なべなべそこぬけのポイントでも「ひっくり返る時に手を離さない」ことが強調されていますが、現実には必ず離れる瞬間が起きます。だからこそ「離れたら止まる」を先に共有しておくと、成功率と安全性が同時に上がります。
さらに、保育者の“配置”も効きます。クラス全体で行う場合は、回転が起きる場所の外周に保育者が立ち、子どもが外へ流れないように壁を作ると、活動が落ち着きます。輪の内側に入り込むより、外周ガードの方が事故予防として機能しやすい場面があります。
最後に、子ども同士の手つなぎが難しい日は「保育者が子どもの手を持って歌いながら動かし、慣れたら向かい合って真似してもらう」タイプの進め方が、活動を止めずに済む逃げ道になります。無理に子ども同士へ移行せず、日によって形を変えて良い、と自分に許可を出すのも保育の技術です。


