おててつないで 保育園 手をつなぐ歌
おててつないで 保育園 手をつなぐ歌 靴が鳴るの歌詞
保育園で「おててつないで」といえば、まず想起されやすいのが童謡「靴が鳴る」です。
1番冒頭に「お手(てて)つないで 野道をゆけば」とあり、手をつなぐ動作と“歩く場面”が直結しているため、散歩前の導入や移動の合図に非常に乗せやすい特徴があります。
特に「唄をうたえば 靴が鳴る/晴れたみ空に 靴が鳴る」の反復があり、子どもにとって“歩く→音が鳴る→楽しい”がイメージ化しやすい点が強みです。
一方で、現場で意外と起きるのが「おてて“を”つないで」と助詞を足して歌ってしまうケースです。
童謡研究の解説では「おてーて つないで」を「おててを つないで」と間違った歌詞で歌わない注意が明記されており、歌詞の正確さが大切だとされています。
先生同士で伴奏・歌い出しの表記を統一しておくと、子どもが覚える言葉も揺れにくくなり、クラス全体の歌の立ち上がりも安定します。
参考:歌詞(「お手(てて)つないで」含む原文)
おててつないで 保育園 手をつなぐ歌 わらべうたのねらい
「手をつなぐ歌」を“安全確保の道具”に限定すると、子どもにとっては「言われたからつなぐ」になりがちです。
わらべうたを保育に取り入れるねらいとして、触れ合いを通した心の安定、歌に合わせて手指や体を動かす楽しさ、言葉や数の獲得などが挙げられており、手をつなぐ活動はその中心に置けます。
つまり、手をつなぐ歌は「生活の指導」でもあり「情緒の安定」でもあり「表現遊び」でもある、という多層の価値を持たせやすいのが利点です。
実践のコツは、ねらいを1回で全部取りにいかないことです。
例えば新年度は「安心感(保育者とつながる)」、少し慣れたら「友だちとつながる」、集団が育ってきたら「リズムに合わせて歩く・止まる」へ、段階的に焦点をずらします。
同じ歌でも“今日は誰と手をつなぐ?”と問いを変えるだけで、人間関係の学びに自然に接続できます。
参考:わらべうたを保育に取り入れるねらい、年齢別の例
ほいくis「保育にわらべ歌を取り入れよう!年齢別のおすすめを紹介」
おててつないで 保育園 手をつなぐ歌 散歩と安全
散歩前に歌を使うメリットは、注意喚起を“命令”ではなく“リズム”に変換できる点です。
「手をつなぐ→歩く→止まる(待つ)」を歌の区切りで繰り返すと、隊列が乱れにくくなり、特に2~3歳の“衝動で動く”時期に効果が出やすいです。
ただし、手をつなぐこと自体が安全を100%保証するわけではありません。
実務上よくあるリスクは、(1)急に引っ張る、(2)つないだまま転ぶ、(3)手汗や手袋で抜ける、(4)イヤで反り返る、の4つです。
そこで、歌を使う日は次の運用をセットにすると事故が減ります。
・出発前の“確認ルーティン”
✅ 大人:手を引っ張らない(腕ではなく手のひら同士)
✅ 子ども:前を見る、止まる合図を聞く
✅ 位置:道路側は保育者、列の外側は歩かせない
・歌の中に「止まる」を入れる
例:「おててつないで…(歩く)」「しーっ…(止まる)」のように、短い静止を挟むと、横断前の待機が“遊び”として成立します。
・拒否が出た時の扱い
拒否は「わがまま」ではなく、感覚(手の湿り・圧迫・相手が嫌)や不安(環境の変化)から出ることがあります。
代替として「保育者の指2本を持つ」「小リング(輪)を握る」「手をつなぐ相手を選べる日を作る」など、“つながり方”を複数用意すると現場が回りやすいです。
おててつないで 保育園 手をつなぐ歌 ピアノと手遊び
「手をつなぐ歌」をクラスで安定して回すには、ピアノ伴奏の難易度よりも“テンポと反復”が重要です。
童謡「靴が鳴る」は、行進曲の心持ちで歌い、伴奏も弾くとよいとされる解説があり、歩行と相性が良い作りです。
テンポが速すぎると隊列が前のめりになり、遅すぎると子どもが別行動を始めやすいので、歩く速さに合わせて一定を保つのがコツです。
手遊びに寄せる場合は、次のような変換ができます。
・座位で導入(乳児~低年齢向け)
🎵 1フレーズごとに「ぎゅっ(握る)→ぱっ(開く)」
🎵 「靴が鳴る」の部分は膝をトントン(足音の模倣)
・立位で移動前(幼児向け)
🎵 「おててつないで」で隣と連結
🎵 「晴れたみ空に」で上を指さす(視線を上げて落ち着く)
保育者側の小技として、歌い出しの言葉を“合図”にしておくと混乱が減ります。
例えば「おててつないで」が聞こえたら“手をつなぐだけ”、次のフレーズで“歩き出す”、と役割を固定すると、毎回指示を足さなくて済みます。
参考:歌い方や歌詞の注意点(「おてーて つないで」を誤らない等)
おててつないで 保育園 手をつなぐ歌 独自視点:心をつなぐ言葉
「手をつなぐ歌」を長く使っていると、子どもが“形式としての手つなぎ”だけ上手になり、気持ちが乗らない日が出てきます。
そこで効くのが、歌の意味を「交通安全」から一段抽象化して「心をつなぐ」に置き直す声かけです。
童謡「靴が鳴る」の解説には、「お手々つないで。それはまた、心をつなぐこと」「力をあわせることでもあります」という趣旨の文章があり、手をつなぐ行為を人と人の協力に広げて捉えています。
この“意味づけ”を、保育の言葉に落とすと次のように活用できます。
・朝の会での一言
「今日は誰の心と手をつなぐ?」→ 友だち関係の導入になる。
・衝突後のリカバリー
けんか後に「まず歌は小さな声で一緒に」「手は短くでもいい」と段階を作ると、仲直りのきっかけが“身体”から作れます。
・発達の個別配慮にも使える
触覚過敏や不安が強い子には、「心はつながってる、手は今日はここまで」と宣言してOKにすると、みんなの前で“できない子”にしない運用が可能です。
この視点を入れると、「おててつないで」は単なる移動技術ではなく、クラスの文化(優しさのルール)として根づきやすくなります。
そして、歌が“やらされる指導”に見えにくくなるため、保育者自身の疲労感も下がります。
参考:手つなぎ=心をつなぐ、という趣旨を含む解説


