合唱曲 保育園 行事
合唱曲 保育園 行事の選曲ポイント(卒園式・発表会)
保育園の行事で合唱曲を選ぶとき、最初に決めたいのは「この行事で子どもたちにどんな経験を残したいか」です。卒園式なら“旅立ち”や“感謝”が中心になりやすく、発表会なら“みんなでそろえる楽しさ”や“物語性”を前に出すと軸がブレません。卒園ソングはBGMとして流すだけでなく、卒園児が歌う・在園児が歌のプレゼントをするなど活用方法が複数あるため、目的に合わせて選びたい点がポイントです。
次に、曲の「歌いやすさ」を冷静に確認します。子ども向けの歌でも、メロディーの跳躍が大きい・息継ぎが難しい・言葉が詰まるなど、練習期間に負荷が出る箇所が潜んでいます。選曲では歌詞の意味も重視し、「歌を通して何を感じてほしいか、何を伝えたいか」を考えることが大切だとされています。
さらに実務面では、クラスの個性と園の方針(毎月の歌の文化がある、行事で季節の歌を必ず入れる等)も加味します。行事にちなんだ歌を取り入れる園も多く、歌を通して季節や行事に親しむねらいがあるため、単に“人気曲”を選ぶだけだと行事の意味とズレやすい点に注意が必要です。
参考)4歳児が夢中になる合唱曲!年中さんの発表会で心に響く歌のアイ…
合唱曲 保育園 行事の指導ポイント(発声・声かけ・導入)
練習で最初に崩れやすいのは、実は音程よりも「声の出し方」です。現場では「大きな声で歌おうね」と言うと、張り上げたがなり声になりやすいので、「お口をしっかり開けてね」といった声かけがよいとされています。
“声がそろう”状態を作るには、強さよりも質を合わせるのが近道です。例えば「まあるい、優しい声で」「にこにこの声で」のように、子どもがイメージしやすい言葉に置き換えると、音量競争になりにくくなります。がなり声が出てきたときも、否定で止めるのではなく「気づき」を促す声かけが大切だと示されています。
導入では、曲の世界観を作る工夫が効きます。歌詞が耳だけだとイメージしにくい子もいるため、絵本やペープサートなど視覚的な要素で場面をつかませる方法が紹介されています。
また、先生側の提示も重要です。まず保育者が心を込めて歌って聞かせ、子どもが「いっしょに歌いたい」と思える状態を作ることが導入の基本で、最初はサビから入る方法も挙げられています。
合唱曲 保育園 行事の練習(年齢・テンポ・歌詞)
行事の合唱は、1回の練習で完成させようとすると失敗しやすいです。2番・3番がある長い曲は、覚えている途中で飽きてしまう子もいるため、日を分けて少しずつ教える方法が有効だとされています。
練習設計は「節ごとに区切る→意味を短く共有→歌う」の順が安定します。歌詞の意味や場面を先生が説明したり、「これって何をしているのかな」「どんな気持ちになったかな」と問いかけたりして、子ども同士で感じたことを共有する機会を作ると表現が深まりやすいとされています。
テンポに関しては、普段の「今月の歌」と同じテンポ感で入ると、行事曲が急に難しく感じられることがあります。そこで、行事練習の最初の1週間は“テンポを落として言葉をそろえる期間”、次の期間で“本番テンポへ寄せる期間”と段階を分けると、子どもが置いていかれにくくなります(これは園の現場で再現しやすい設計です)。
歌詞が難しい箇所・声が小さくなる箇所は、全体練習で流さず「部分的に繰り返し練習」して自信につなげることが勧められています。お手本をゆっくり示し、意味を説明してから歌うと、もぞもぞ歌いが減っていきます。
合唱曲 保育園 行事のおすすめ(卒園ソング・定番)
行事で“外さない”曲を押さえるなら、まず卒園式でよく歌われる定番から検討すると決めやすいです。現役保育者のアンケート結果として、卒園式に歌いたい歌のランキング(ベスト10)が公開されており、1位「さよならぼくたちのほいくえん・ようちえん」などが挙げられています。
ランキング上位の曲は、すでに多くの園で歌われている分、歌詞カード・伴奏・参考動画など周辺素材が見つけやすく、当日までの準備負担が下がりやすいのが利点です。一方で“他園と同じになりやすい”ため、同じ曲を使う場合は「歌詞を園名に合わせて言い換える」「園の一年の思い出に歌詞をアレンジする」といった工夫が紹介されています。
卒園ソングの目的は、式の雰囲気作りに欠かせない要素であり、みんなで一緒に歌う経験や曲の世界観に親しむことが大切だとされています。だからこそ、難しさよりも「練習が楽しい」「気持ちが届く」を優先して曲を確定し、練習に入るのが安全です。
参考:卒園ソングの活用方法・ランキング(曲名や票数)

合唱曲 保育園 行事の独自視点(保護者の聴こえ方・配置)
検索上位の“選曲と指導”だけでは語られにくいのが、「保護者にどう聴こえるか」を前提にした設計です。実は、同じ合唱でも“歌の上手さ”より“言葉が届くか”で感動が大きく変わります。そのために有効なのが、当日の配置・向き・音の出どころを先に決めてしまうことです。
ポイントは「保護者席から見て、前列の口が見えるか」「先生の伴奏音量に歌が負けていないか」「子どもが隣の子の声につられすぎない距離か」です。歌を正しく伝えるには、先生が聞き取りやすい声で歌うことに加えて、ピアノの音量・体の向き・子どもの立ち位置にも配慮すると聞こえやすいとされています。
また、保護者の記憶に残るのは“揃い方”です。ここで効くのが、手話や手ぶり・簡単なジェスチャーの導入です。これは単に見栄えのためではなく、子どもが言葉の意味を身体で理解しやすくなり、結果的に発音がそろいやすくなるメリットがあります(練習で「歌詞の意味」を共有する流れとも相性が良いです)。
最後に、行事当日の“事故”を減らす小技を1つ。合唱の直前は水分をとりすぎるとトイレが気になり集中が切れやすいので、直前はうがい程度にして、リハーサル後のタイミングで水分補給を促すと安定します(園の安全配慮・段取りとして実装しやすい工夫です)。
| 観点 | 合唱曲の準備で見るポイント | 行事当日のチェック |
|---|---|---|
| 声(発声) | 「大きな声」より「口を開ける」「優しい声」で統一する | がなり声が出たら“気づき”の声かけで修正する |
| 曲の理解 | 歌詞の意味や場面を説明し、問いかけでイメージを膨らませる | 表情・言葉が届くよう、前列の口元が見える配置にする |
| 練習設計 | 長い曲は日を分け、難所は部分練習で自信をつける | 本番テンポは“速すぎない”を優先して揃えに寄せる |
- ✅ 選曲の最終確認:歌詞のメッセージがクラスの一年とつながっているか
- ✅ 指導の最終確認:子どもが「歌うのが楽しい」と思える雰囲気が作れているか
- ✅ 行事の最終確認:立ち位置・伴奏音量・先生の向きで“聴こえ方”を整えたか


