ドレミソラと保育と音階あそび手遊びリトミック

ドレミソラと保育と音階あそび

ドレミソラ 保育 音階あそび:ねらいと全体像
🎵

ねらい

音の高低(Pitch)を「耳だけ」でなく「体の動き」と結びつけ、歌う・聴く・まねるを循環させます。

👀

しかけ

ボディサイン(手や体の高さ)やカード(視覚)を使い、できた感を作って自信につなげます。

🧩

進め方

①導入(手遊び)→②展開(ドレミの歌)→③発展(即時反応)→④定着(わらべうた・日常化)で設計します。

ドレミソラの保育 音階あそび:音の高低を体で伝えるコツ

 

音階あそびで最初につまずきやすいのは、「音が高い・低い」を言葉で説明しすぎてしまい、子どもが“感じる前に覚える”状態になることです。そこで、保育では「音が上がる=手が上がる」「音が下がる=手が下がる」のように、身体感覚へ翻訳してあげると入り口が広がります。

実践例として、ドレミの歌とボディサインを組み合わせる方法は、歌の親しみやすさと動きの分かりやすさが両立しやすいです(例:ドは低い位置、レは少し上、ミはさらに上…のように高さを段階化)。音階を「正解・不正解」で裁かず、ズレも笑いに変えながら続ける設計が、結果的に音の高低へ注意を向ける習慣づくりになります。

ポイントは「段階化」です。いきなりドレミファソラシド全部を扱うより、最初はドレミソラのように音数を絞っても成立します。音数が少ないほど、子どもは“耳で追う余裕”が生まれ、保育者は観察(誰が高低を聴き取れているか、誰が動きで理解しているか)に集中できます。

ここで、遊びを深める観点として「リズム」「音の高低」「音の強弱」を分けて捉えると、保育者側の言葉かけが整理されます。例えば今日は高低に焦点を当て、手拍子の正確さ(リズム)は“できたらラッキー”くらいにすると、取り組みやすさが上がります。

音の高低を扱うときの現場あるあるは、「子どもが大きな声=高い音」と混同しやすい点です。大きい・小さい(強弱)と、高い・低い(高低)は別ものなので、言葉かけは「高い音」「低い音」を統一し、声量の話は別の日に回すと混乱が減ります。

参考(ドレミの歌×ボディサイン、即時反応、年齢別の取り入れ方の考え方)。

音の高低(Pitch)をボディサインや即時反応あそびに落とし込む具体例

保育で使える無料音階カードあり!「ドレミの歌」&ボディサインで音の高低が自然に身につく音あそび - 保育と楽譜のたからばこ
保育ですぐにできる"音の高低”に親しむことができる音あそびをご紹介✨ 使うのは、みなさんご存じ『ドレミの歌』と、音階を表す【ボディサイン】。 さらに、無料でダウンロードして使える《音階カード》もあるので、ぜひチェックしてください♥

ドレミソラの保育 音階あそび:ドレミの歌とボディサイン実践

ドレミの歌は、子どもも保育者もメロディの見通しが立ちやすく、音階あそびの“共通言語”になりやすい教材です。ボディサインを使うと、耳(聴覚)だけでなく目(視覚)と体(運動感覚)も同時に働くため、「音の上がり下がり」を理解する入口が増えます。

進め方は、以下の順にすると事故が少ないです。

  • ①まず歌う(CDでも保育者の声でもOK。歌詞を覚える回)
  • ②各音のポーズを確認する(ド・レ・ミ…の“高さ”の約束を共有する回)
  • ③ゆっくり歌いながら合わせる(テンポを落として成功体験を作る回)
  • ④ピアノや音源に合わせてやってみる(他者の音に反応する回)
  • ⑤慣れたらクイズ化(音階カードや“無音のサイン”で当てっこ)

さらに工夫するときは、「ドは足首」「レは膝」「ミは腰」のように“身体の部位”で高さを固定すると、子どもが迷いにくくなります。ここで大切なのは、ボディサインの形を厳密に統一することより、「高い位置=高い音」という対応関係が体に入ることです。

年齢別にみると、2〜3歳児は“まねるだけでOK”に寄せるのが現実的です。4〜5歳児は、同じ曲でもパート分けや簡単な輪唱風にするなど、遊びのルールを足して集中を作ると伸びやすいです。

準備物を増やしたくない日でも、音階カードを印刷して掲示するだけで、視線の拠り所ができて活動が締まります。カードは「音符だけ」「音名+ポーズ」の両面にしておくと、音符→音名当てのクイズにも転用できます。

ドレミソラの保育 音階あそび:わらべうたのドレミソラで導入

音階あそびの導入として、わらべうたの「ドレミソラ(5音)」という特徴はかなり扱いやすい素材です。半音がなく、子どもが口ずさみやすい音で構成されるため、“音程が取りにくい子”が混ざっても活動が崩れにくいのが現場向きです。

わらべうたは、歌と遊び(手足を使う動き、スキンシップ)がセットになっていることが多く、音階を「学習」に寄せすぎずに始められます。さらに、同じ言葉とリズムを繰り返すものが多いので、見通しが立ちやすく、初回から参加しやすいのも利点です。

ドレミソラの活動設計例は、こんな流れが安定します。

  • 導入:手遊びのわらべうた(まずは安心して声を出す)
  • 展開:ドレミソラの“高さ”だけを、ボディサインで表す(ドレミソラに限定)
  • 接続:ドレミの歌に移行し、ファシまで広げる(できる子だけ先に遊べる構造に)

意外と見落としがちなポイントは、わらべうたは「童謡」と違って“大人が作った歌”ではなく、子どもたちに伝承されてきた歌遊びである点です。背景を知っておくと、保育者の声色やテンポが“教える”より“一緒に遊ぶ”に寄り、結果的に子どもがよく声を出します。

参考(わらべうたの基本、ドレミソラ5音、童謡との違い)。

わらべうたの定義やメリット、ドレミソラ5音の説明

わらべうた遊びで楽しく遊ぼう!子どもが大好きなおすすめわらべうた | 保育士派遣・求人募集・転職なら「わたしの保育」
わらべうたは昔から子どもたちによって歌い遊びつがれてきました。手などを使いながら歌うわらべうたは、音や動きという直接的な要素だけでなく、昔からの文化や季節感などのさまざまな要素が含まれている伝統文化のひとつと言えるでしょう。ゆったりとやさし...

ドレミソラの保育 音階あそび:即時反応で集中力を伸ばす

音階あそびを「歌う活動」だけで終わらせず、即時反応(音の変化に合わせてすぐに動きで反応する)を入れると、クラス全体の集中が立ち上がりやすくなります。椅子取りゲームやストップゲームは、すでに園で馴染みがあるため、“リトミック感”が強すぎず導入しやすいのが利点です。

即時反応に音の高低を混ぜるときは、ルールを2つまでに絞るのがコツです。例えば次のように単純化します。

  • 高い音:手を上にあげる
  • 低い音:しゃがむ
  • 音が止まる:動きを止める(または座る)

ここで大切なのは、ピアノがなくても成立させることです。保育者の声(高い声・低い声)、鉄琴やハンドベルなどでも代替できますし、音源でもOKです。音の高低を“動きの高さ”へ落とし込むだけで、子どもが自然に耳を澄ませます。

また、即時反応は「正解できる子が勝つ」設計にしない方が長続きします。あえて勝敗を曖昧にして、反応が遅れた子も“次は当てよう”と前向きに参加できるようにすると、活動が荒れにくいです。

ドレミソラの保育 音階あそび:独自視点の環境設定と観察

検索上位の解説では「やり方」に焦点が当たりやすい一方、現場では“環境設定”が結果を左右します。ここは独自視点として、音階あそびの成功率を上げるための「配置」「見える化」「観察メモ」を提案します。

まず配置です。音の高低を体で表す活動は、横一列より円の方が“真似の連鎖”が起きやすく、参加が広がります。保育者が中心に立つのではなく、あえて子どもと同じ円周に入り、隣の子に動きが伝わるようにすると、できない子が取り残されにくいです。

次に見える化。音階カードがある場合は、壁に貼るだけでなく「床に置いて動線にする」と理解が早まります。例えば床にド→レ→ミ→ソ→ラのカードを並べ、音が上がったら前へ進む、下がったら戻る、という“音の階段”を体験に変換できます。動くことで、歌えない子でも参加でき、クラス内の差がやわらぎます。

最後に観察メモです。音階あそびは、短時間で繰り返すほど伸びますが、何を伸ばしたいかが曖昧だと活動が散ります。そこで、観察は以下の3項目だけに絞ると記録しやすいです。

  • 👂「高い/低い」で反応が変わったか(耳が向いたか)
  • ✋ ボディサインの高さが近づいたか(身体で理解したか)
  • 🧑‍🤝‍🧑 友達の動きを見て参加できたか(模倣で入れたか)

この3点を週1回だけでもメモすると、「次はドレミソラに戻す」「今日は即時反応を短くする」「歌よりカードを増やす」など、次の一手が具体的になります。音階あそびは“才能”より“設計”で伸びる領域なので、保育者が扱いやすい形に整えるほど、子どもは自然に音の世界に入っていきます。


なでしこドレミソラ 3巻 (まんがタイムKRコミックス)