フラフープ 保育園 遊び
フラフープ 保育園 遊びのねらい：年齢別の発達に合わせる
保育園でフラフープを使う良さは、単に「運動量が増える」だけではなく、子どもの発達段階に合わせて“ちょうどよい課題”を作りやすい点にあります。ほいくisでは、年齢別に「ねらい」を整理しており、1歳児は大人と一緒に楽しむ・動きに興味を持つ・握る放す歩くくぐる等を知る、2歳児は友だちと跳ぶ走る・くぐるまたぐとぶ等の全身運動、3歳児はとぶ回すの経験と譲り合い、4歳児は協力遊びやきまり、5歳児はゲーム性のある活動で達成感を味わう…といった視点が提示されています。
この「ねらい」の言語化は、月案・指導案での説明がしやすいだけでなく、活動中の声かけが変わるのが大きな利点です。たとえば2歳児であれば「フープを踏まないで渡る」より「跳べた・またげた」を肯定し、5歳児であれば「ルールを守ってチームで成功する」経験が中心になってきます。
意外と見落としがちなのは、フラフープは“動きの切り替え”が自然に起きる道具だという点です。輪の中→外、止まる→進む、低い姿勢→立つなどが連続するため、運動が得意な子だけが活躍する形になりにくく、クラスの実態に合わせた参加保証を作りやすいのも現場向きです。
フラフープ 保育園 遊びのアイデア：くぐる・ジャンプ・電車ごっこ
まず取り入れやすいのは「フラフープくぐり（トンネル）」です。保育者が縦に持ってトンネルを作り、子どもがくぐるというシンプルな遊びで、低年齢は“通り抜ける経験”を繰り返し、幼児はフープの高さを変えたり数を増やしたりして難易度を上げられます。
次に、床に並べて行う「フラフープジャンプ（けんけんぱ）」は、配置の自由度が高いのが強みです。保育士バンク！でも、1歳児は渡り歩きでもよく、2歳児は小さいフープを使い「ケンケンパ」の形にして挑戦するなど、年齢に応じたアレンジが示されています。
「フラフープで電車ごっこ」は、遊びが“ごっこ”になり、運動が苦手な子も入りやすいのが良いところです。コース（駅や線路）を準備してフープを腰の位置で持って進む方法が紹介されており、紐で連結して2号車・3号車にするアレンジも可能ですが、前の子が急に走ると後ろの子が引っ張られて転びやすい点は要注意です。
参考：フラフープ遊びの種類（くぐり・けんけんぱ・電車ごっこ等）の具体例と、年齢別のねらいが整理されています。
フラフープ 保育園 遊びのゲーム：玉入れ・ボーリング・鬼ごっこ
ゲーム性を入れるときは、「投げる」「狙う」「順番」「勝敗」が絡むため、ルールが短く明確なものほど回しやすくなります。ほいくisの「フラフープ玉入れ」は、保育者が立てて持ったフープにボールを通す形で、投げる位置を近い〜遠いで分けると難易度調整がしやすいとされています。
「フラフープボーリング」は、転がす力加減の調整がポイントで、保育士バンク！でもペットボトルをピンにして本数を数える遊び方が紹介されています。距離やフープの大きさを変えると“同じ遊びが別物”になるため、反復しても飽きにくい活動になりやすいです。
鬼ごっこ系では「引っ越し鬼（フープを島に見立てる）」が扱いやすく、鬼は島の内側に入れないが外から手を伸ばしてタッチはOK、というルール例が示されています。島の配置次第で運動量が変わるので、子どもの動線が詰まりすぎないように置き方を工夫すると、衝突や転倒のリスクも下げられます。
フラフープ 保育園 遊びの安全：間隔・片付け・禁止事項
フラフープ遊びは楽しい反面、「踏んで転倒」「ぶつける」「引っ張って転ぶ」など、事故の形が想像しやすい遊具でもあります。愛知県の資料では、園庭に落ちていた長縄やフラフープを踏んで転倒し骨折した事例が挙げられ、使い終わった玩具はすぐ片付ける対策が示されています。
また、高森町の安全管理資料では、フラフープについて「引っ張ったり、飛ばしたりしない」「間をあけて人に当たらないようにする」と明記されており、活動前の約束としてそのまま使える表現です。
現場で効く工夫としては、次の“３点セット”が実践的です。事故をゼロにするのではなく、起きやすい形を先に潰す発想で準備します。
- 🧭環境：フープを置く範囲をテープ等で区切り、走り抜ける動線と交差しない配置にする（特にホール）。
- 🧍立ち位置：電車ごっこやリレー等「引っ張り」が起きやすい遊びでは、隊列の横〜後方に入り、速度差が出た瞬間に止められる位置を取る。
- 🧺片付け：活動の終わりは「フープを床に置かないで持って集まる→数える→指定場所に戻す」を型にし、踏み事故を予防する。
フラフープ 保育園 遊びの独自視点：観察と記録に使う
フラフープは“運動遊びの道具”であると同時に、実は観察・記録の補助具にもなります。たとえばフープを床に置くだけで、子どもの「片足ジャンプの着地が安定しているか」「左右どちらが踏み切りやすいか」「距離の見積もりができているか」を、線引きよりも柔らかい雰囲気で見取れます（子どもに“テスト感”が出にくい）。
また、フープは円なので“基準”が一定で、写真記録との相性も良いです。ジャンプ遊びなら「同じフープ間隔で、4月は歩き渡り、6月は両足跳び、10月はケンケン」と、同じ設定で成長の差分を残しやすく、保護者への説明もしやすくなります。
さらに、集団遊び（送りリレー等）では「手を離さない」「順番を待つ」「友だちの体を無理に引っ張らない」など、社会性の見取りポイントが活動の中に自然に埋め込まれます。ほいくisでも送りリレーは“協力が必要”であり、無理にねじったり引っ張ったりしないよう注意する趣旨が示されています。
