おどりと保育園とお遊戯
おどりの選曲とダンスのテンポ
おどりを成功させる最初の分岐点は「曲選び」です。子どもが踊れるかどうかは、先生の気合よりも、曲のテンポ・リズムの素直さ・歌詞の分かりやすさに左右されます。テンポが速すぎたり、リズムが細かく跳ねたりする曲は、動きが追いつかず「なんとなく立っている子」が増えやすくなります。
現場目線での選曲チェックは、次のように単純化すると判断が速いです。
・テンポ:早すぎない(走らないで足踏みできる)
・リズム:拍が取りやすい(手拍子がそろう)
・構成:Aメロ・サビの区切りが分かりやすい
・長さ:長すぎない(集中が切れる前に終われる)
年齢別の考え方も、ポイントは「動きの種類」と「待てる時間」です。乳児は“その場でできる動き”が多いほど安心し、幼児は“隊形の変化”や“役割(ソロ・ペア)”が入るほど達成感が出ます。年齢別に踊りやすい曲を集めた紹介も多く、例えば保育士向けの選曲例では乳児・幼児に分けて曲を提案し、衣装や小物の工夫にも触れています。
保育士バンク!の年齢別ダンス曲例(曲の特徴と小物のアイデアの参考)
意外と効く小技は、「候補曲を“練習用BGM”として先に生活の中で流す」ことです。オリジナルダンス作りの記事でも、遊びや給食の時間に曲をかけて耳と体になじませると、教えやすく踊りやすくなるとされています。曲が“初対面”だと、振り付け以前に音楽へ慣れる負荷が大きいので、まずBGMで“知ってる曲”にしてしまうのが近道です。
おどりの振り付けと4拍のカウント
おどりの振り付けで大事なのは、上手に見せることより「全員が参加している状態」を作ることです。そのために効く原則が、振り付けを少なくして繰り返すこと、そして“4拍で1動き”の単位で教えることです。お遊戯指導の工夫として、振り付けは少なく繰り返しやすくし、4拍のカウントで教えると伝えやすいという具体的な提案が紹介されています。
振り付けを組むときの「迷いを減らす型」を置いておきます。
・基本は3〜5個の動きで1曲を回す(2番も1番と同じでOK)
・“止まれるポーズ”を必ず入れる(遅れた子が復帰できる)
・移動は最小限(移動が増えるほど事故リスクと混乱が増える)
・手だけ/足だけの動きを先に作り、最後に合体する
教え方は、いきなり曲に合わせるより「音楽なし→音楽あり」の順が安定します。運動会の練習のQ&Aでも、まず音楽なしで振り付けを繰り返し、できるようになってから音楽に乗せる方法が示されています。音楽を止めて“動きだけ”を確実にすると、先生の声かけも短くでき、子どもも見通しが立ちます。
また、子どもが好きな動きを入れること(ジャンプ、回転、ポーズなど)は、踊りが苦手な子の参加率を上げます。振り付けの考え方として「子どもが喜ぶ動きを入れる」ことが大切だとする発表会向けの解説もあり、技術ではなく“気持ちが上がる動き”が最初の一歩になります。
おどりの練習と日常の遊び
おどりの練習を「練習の時間」として切り出しすぎると、先生も子どもも疲れやすくなります。反対に、日常の遊びに溶かすと、練習量が増えるのに負担感が下がります。発表会ガイドでも、日々の音楽環境の中で準備を進めることや、園の状況に応じた共有の工夫が語られています。
日常に溶かす具体策は、次のように“短時間・高頻度”がコツです。
・朝の会の前に30秒だけ「サビだけ」踊る
・移動前の切り替えで「決めポーズ」だけやる
・片付けの合図を曲にする(BGMとして刷り込む)
・先生が口ずさむ(歌詞の合図で動ける子が増える)
練習で詰まりやすいのが「隊形移動」です。ここは、ダンスとしての完成度よりも安全と分かりやすさを優先し、移動回数を減らすか、移動を“歩く演技”として見せると事故が減ります。衣装や小道具を使う場合も、着脱の時間が延びると集中が切れやすいので、練習段階ではまず“身一つで成立する踊り”にしておき、最後に小道具を足すのが確実です。
さらに、子どもの不安を下げるには「復帰ポイント(戻れる場所)」が重要です。例えば、サビの頭で全員が同じ動き(手拍子・足踏み)に戻る設計にすると、遅れた子がそこで合流できます。これは振り付けの技術というより、集団の安心設計です。
おどりの衣装と小道具と安全
おどりの衣装や小道具は、見栄えを上げる一方で、事故リスクと準備負担を増やす要素にもなります。発表会の衣装・小道具については、見た目だけでなく安全性や着心地、動きやすさを重視すること、家庭と園で分担すると負担が軽くなることなどが具体的に述べられています。衣装は「かわいい」より先に「動ける」「暑くない」「引っかからない」を合言葉にすると、当日のトラブルが減ります。
安全面のチェックは、次の5点で十分に実用的です。
・首回り:ひも・マフラー状は避ける(引っかかり予防)
・足元:靴下で滑りやすいなら、滑り止めや裸足を検討
・手具:尖り・硬さ・長さ(目や顔に当たらない)
・視界:帽子・お面で前が見えない設計は避ける
・音:鈴やカスタネット等は、興奮で投げない導入が必要
意外と見落とされがちなのが「衣装を着た瞬間に動きが変わる」点です。スカートが広がる、袖が引っかかる、手具が重いなど、普段の動きが崩れます。だからこそ、通し練習の早い段階で“本番に近い装備”を一度入れ、危険がないかを確認すると安心です。
衣装・小道具のアイデアが欲しい場合は、教材制作側がまとめている事例が参考になります(ただし採用する際は園の安全基準と子どもの発達に合わせて調整します)。
小道具・手具・衣装アイデア(衣装と小道具の発想の参考)

おどりの著作権と保育園の動画
おどりの準備で、最後に必ず整理しておきたいのが著作権と動画の扱いです。園内での無料イベントでの音楽利用は手続き不要とされる一方、園のWebサイトで音楽を流す、歌詞や楽譜を載せる、発表会の動画をDVDで配布するなどは手続きが必要になる場合がある、という整理が紹介されています。さらにJASRACの案内でも、学校など教育機関における音楽利用は、一定の条件を満たせば許諾なく利用できるとしつつ、著作権法第35条などに触れています。
ここは「園の中だけ」か「外へ出る」かで判断が変わりやすいので、実務では次の切り分けが役立ちます。
・園内:保護者がその場で見る(=まず園内利用)
・外部:DVD配布、YouTube限定公開、園HP掲載、SNS投稿(=外へ出る)
・文字:歌詞の掲示・配布、楽譜の配布(=複製に当たりやすい)
現場での独自視点として、著作権と同じくらい重要なのが「プライバシーの設計」です。発表会ガイドでも、撮影時の配慮として保護者の同意を得たうえで使用範囲や保管期間を明示することが大切だと述べられています。つまり、音楽の許諾だけ整っていても、顔出しや公開範囲の合意が曖昧だとトラブルになります。
保育園の運用としては、次のように“先に決めて掲示する”と揉めにくいです。
・撮影OK/NGのルール(家庭事情の配慮)
・共有範囲(クラス限定、学年限定、園全体、外部公開なし)
・保存期間(年度末で削除など)
・音源の扱い(編集時にBGMを差し替える運用も検討)
著作権の一次情報としては、JASRACの「学校など教育機関での音楽利用」のページを必ず確認しておくと安心です(条文や前提条件の考え方の参考)。
教育機関での音楽利用(制度の前提と考え方の確認)
学校など教育機関での音楽利用

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