ジャンケンと保育園の遊び歌
ジャンケンのわらべうたで保育園の遊び歌を導入するコツ
保育園での「ジャンケン×遊び歌」は、勝負の前に“動きの模倣”を置くと導入がうまくいきます。わらべうたの考え方では、小さい子は勝負をせず、大人の手の形をまねる遊びとして始めてもよい、とされています。特に0・1・2歳児は、手指の動きそのものが楽しく、歌があると「出すタイミング」が自然に揃います。
たとえば、地域のわらべうたには、手の形を別の言葉に置き換えて覚えやすくするものがあります。「おさらに たまごに はしかけ ホイ」は、パー・グー・チョキを歌詞の中で表し、「ホイ」でジャンケンをする遊び方が紹介されています。こうした言い換えは、子どもが“形の意味”を生活のイメージに結びつけやすく、手の形の理解が進みやすい点が意外な強みです。
導入の声かけ例(長く説明しないための文例)
- 「今日は勝つか負けるかじゃなくて、歌に合わせて“同じ手”を出すゲームだよ。」
- 「“ホイ”で出すよ。先生の口を見てね。」
- 「チョキが難しい子は、まず“パーとグー”だけでもOK。」
また、わらべうたは「歌いやすい音程で歌ってよい」とされ、現場では子どもの声域に合わせてテンポや高さを変えて成立させやすいのもメリットです。ピアノの音程に縛られず、朝の短時間や移動前のすき間にも入れやすいのが、保育園で強い理由になります。
参考:わらべうたでジャンケン遊び(導入の考え方、地域の歌、遊び方)

ジャンケンと手あそび歌「おちゃらか」で保育園の遊びを安定させる方法
集団の場面でジャンケンが崩れやすいのは、「出す合図」と「出す動作」が揃わないときです。そこで役立つのが、リズムに“交換動作→合図→ジャンケン”が組み込まれている手あそび歌です。「おちゃらか」は、歌詞に合わせて手を交互に置き換え、最後の「ホイ!」でジャンケンをする手順が明確に示されています。
「おちゃらか」の進め方は、向かい合って手のひらを重ね、歌詞のタイミングで置き換える動きを繰り返し、「ホイ!」でジャンケンする流れです。勝った人はバンザイ、負けた人は泣くジェスチャーなど、結果の表現まで遊びに含められる点が、年中・年長の“表現遊び”にもつながります。さらに、あいこなら「ホイ!」を繰り返して勝負がつくまで続けることも説明されており、ルールが短いのに展開が止まりにくい構造です。
この遊び歌が便利なのは、「ジャンケンの前に、手を動かすウォームアップが入る」ことです。いきなりジャンケンだけをすると、出す手が遅れる子・迷う子が目立ちやすいですが、歌の中で“手を合わせる・交互に置く”が入ると、自然に注目が相手と自分の手元に集まり、集中が整ってから勝負に入れます。
現場での安定テク(簡単な工夫)
- まずは“勝ち負けなし”で、最後の「ホイ!」は先生の合図で全員同じ手を出す練習にする。
- 慣れてきたら、勝ち負け+ポーズ(バンザイ/泣く)までをワンセットにして、切り替えを早くする。
- 早くしすぎると置き換えで手が絡み転びやすいので、テンポアップは「立ってやる」より「座ってやる」場面で行う。
参考:「おちゃらか」の歌詞、意味、遊び方、アレンジのヒント
ジャンケンと足で遊び歌を保育園で展開するポイント(チョーパー)
ジャンケンは手だけでなく、体を使ったジャンケンに広げられます。わらべうたの紹介では、子どもたちが体を使ったジャンケンを創り出し、足を使う「チョーパー チョーパー」のような遊びもある、とされています。ここが意外なポイントで、ジャンケンは“勝負のルール”よりも、“出す形を決める仕組み”として身体遊びに転用できるのです。
足ジャンケンの例では、「チョー」で片足跳び、「パー」で両足を左右に開く、「グー」は両足をそろえる、など手の形を足の形に置き換えます。最後に「ドン」で足ジャンケンをする流れが示され、運動能力の発達に合わせて遊ぶとよいと説明されています。手のチョキが難しい子でも、足の前後開き(チョキ相当)なら入りやすいケースもあり、“手先が苦手でも参加しやすいジャンケン”として救いになります。
安全面は必ず先に押さえます(ここだけは省略しない)
- 片足跳びが不安定な子は、片足を軽く上げるだけでもOKにする。
- 室内では走らない、ぶつからない距離を取る、床の滑りやすさを確認する。
- 「跳ぶ→止まる→出す」をセットにして、止まってから出す約束にする。
この展開は、遊び歌の目的が「勝つこと」から「動きをそろえること」へ移るため、勝ち負けで荒れやすいクラスにも向いています。結果より過程が面白くなるので、保育者の声かけも「勝ったね」より「今のチョーそろった!」に寄せると、雰囲気が落ち着きやすいです。
参考:手ジャンケンだけでなく、足を使ったジャンケン遊びの紹介と遊び方

ジャンケンの遊び歌を保育園のねらいで組み立てる(年齢)
同じジャンケン遊び歌でも、ねらいを変えると活動の質が上がります。わらべうたの考え方では、小さい子は勝負ではなく“まねる遊び”として成立するとされているため、0・1・2歳児は「手の形を出す」「タイミングで止まる」「相手の手を見る」を中心に置くと無理がありません。年少以上は「ルール理解」「友だちとのやりとり」「感情の調整」まで広げやすくなります。
年齢別のねらい例(そのまま指導案の骨子に使える形)
- 0・1・2歳児:歌に合わせて手の形をまねる/保育者とのふれあいを楽しむ/“ホイ”で止まる経験をする。
- 3歳児:同じ歌詞を繰り返し覚える/相手と向き合って遊ぶ/簡単な勝ち負けを経験する。
- 4・5歳児:勝っても負けても次へ切り替える/合図を聞いて行動する/友だちと交代しながら進行する。
勝ち負けで泣く・怒る場面が出たら、遊び歌の良さを使って「再挑戦が簡単」な設計にします。たとえば「おちゃらか」は、あいこなら「ホイ」を繰り返して続けられるとされているため、勝負の結果より“続く面白さ”に軸を戻しやすいです。「負けたら終わり」より「負けても次がある」ルールにすると、クラス全体の空気が穏やかになります。
また、意外に効くのが“結果の表現を統一する”ことです。バンザイ/泣くジェスチャーのように結果を動作で表すと、言葉で煽ったり責めたりする時間が減り、活動が流れます。保育者が「ポーズまでがジャンケン」と位置づけると、勝負が目的化しにくいです。
ジャンケンの遊び歌を保育園で独自に広げる:顔ジャンケンと表情
検索上位でよく見るのは、手あそび・わらべうた・集団遊びの定番ですが、現場で差が出るのは“子どもが自分で考えて広げる余白”です。わらべうたの紹介の中には、体を使ったジャンケンだけでなく、顔の表情で勝負する「顔ジャンケン」もある、という話が出てきます。ここを保育園向けに再設計すると、落ち着きがない日や、手が塞がる場面(制作後の移動前など)でも成立する独自の遊びになります。
顔ジャンケン(保育園向けの作り方)
- ルール:合図で“表情”を出す(例:にっこり=パー、しかめっ面=グー、ウインク=チョキ)。
- ねらい:表情のコントロール/相手の顔を見る/勝負よりコミュニケーションを楽しむ。
- 進め方:歌に合わせて「せーの、ホイ!」で表情→みんなで「いまのは〇〇の顔!」と確認→次へ。
ここが意外な効果ポイントです。手のジャンケンは手先の巧緻性に差が出ますが、表情は“できる・できない”の差が出にくく、参加のハードルが下がります。さらに、表情を合わせる活動は、相手の気持ちに気づく入口にもなり、対人面の育ちを支えます。
ただし、ふざけが過熱しやすいので、保育者が「3回やったら手ジャンケンに戻す」「表情は大きく、声は小さく」など枠を先に作るのがコツです。遊び歌のテンポを保つために、表情の種類は最初は2種類(グー/パー)から始め、慣れたら3種類に増やすとまとまりやすくなります。
参考:顔ジャンケンを含む、体を使ったジャンケンの発想(わらべうた記事内の説明部分)
https://hoiku.sho.jp/194634/

キタコ(KITACO) ジャンケンミラー チョキ 取付径M8 右側 1本入り 汎用 メッキ 675-0910001

