こどもの日 保育園 行事 ねらい 由来 製作

こどもの日 保育園 行事

こどもの日を保育園行事にする準備
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ねらいを先に決める

「季節感」「伝統」「成長の喜び共有」を軸にすると、活動がぶれにくくなります。

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由来は短く、体験は濃く

端午の節句・こいのぼり・かぶと等の意味は“子ども向け一言”にし、制作や遊びで実感につなげます。

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保護者へのおたよりで深掘り

祝日法の位置づけ、柏餅・ちまき、菖蒲湯などは家庭連携の話題にもなります。

こどもの日 保育園 行事 のねらい

 

こどもの日を保育園行事として扱うとき、最初に固めたいのが「ねらい」です。ねらいが曖昧だと、制作・出し物・行事食が“楽しかった”で終わり、振り返り(保育者間共有・保護者共有)が弱くなります。

ねらいの基本は、次の3本柱で考えると設計しやすくなります。

・年中行事としての「こどもの日」を知り、楽しく参加する(行事に親しむ)

・日本の伝統や季節感に触れ、春から初夏への移り変わりを味わう

・友だちや保育者と、うれしい気持ち・達成感を共有する

これらは、こどもの日行事のねらい例として複数の保育系解説で示されています。

さらに幼児クラスでは、「由来を知る」「成長を実感する」「保護者や身近な人への感謝につなげる」といったねらいも設定できます。写真の見比べ(入園当初→現在)や、できるようになったこと発表は、行事の“お祝い”と相性が良く、年度前半のクラスづくりにも役立ちます。

ねらいを文章にするときのコツは、抽象語だけで終わらせず「どの活動で達成を見取るか」までセットで書くことです。例えば「季節感を味わう」なら、こいのぼり掲揚を毎朝見に行き風や空の変化に気づく、菖蒲の香りを嗅いで言葉にする、など“観察可能な姿”に落とし込みます。

また、祝日としての「こどもの日」は、子どもの人格を尊重し幸福をはかるとともに母に感謝する日、という説明がされています。園の方針にもよりますが、家庭連携の観点では「いつも育ててくれる人にありがとうを伝える日」として扱うと、男女問わず自然に広げられます。

保育者の間で共有しておきたい注意点として、こどもの日は“端午の節句=男の子の行事”というイメージが残りやすいことがあります。行事の説明は「みんなの成長をお祝いする日」を中心にし、こいのぼりやかぶとを“強さの象徴”として押しつけない言葉を選ぶと、行事参加の心理的ハードルが下がります。

(こどもの日行事のねらい・指導案の考え方の参考)

保育園での「こどもの日」のねらい、指導案の書き方を紹介:https://www.e-hoikushi.net/column/551/

こどもの日 保育園 行事 の由来

こどもの日は、保育園では「端午の節句」と結び付けて語られることが多い行事です。端午の節句は古来、邪気を払う行事としての側面があり、江戸時代の武家社会で現在のように兜を飾る・菖蒲湯に入るといった形が広まった、という説明が保育向け記事で紹介されています。

ただし、由来の“史実”を長く説明すると、子どもは集中が切れやすいので、現場では「短い一言」に変換するのが実務的です。例えば次のように、象徴(もの)→願い(意味)→今日の活動(体験)へつなげます。

・こいのぼり:元気に大きくなる願い → みんなで飾って風で泳がせる

・かぶと(五月人形):守ってくれる象徴 → かぶと制作で“守りたいもの”を話す

・菖蒲:香りで気分転換、昔から大事にされた植物 → 触る・匂いを比べる

・柏餅/ちまき:縁起をかつぐ食べもの → 給食やおやつで季節を味わう

こいのぼりの由来には、中国の故事(滝をのぼった鯉が竜になる)に触れた説明もあります。これは“立身出世”という言い回しが難しいので、園児には「がんばる気持ち」「あきらめない気持ち」に置き換えると伝わりやすいです。

また「こどもの日」と「端午の節句」が同じ5月5日で語られる点は、保護者向けには丁寧に補足すると安心されます。端午の節句が伝統行事、こどもの日が祝日として定められている、という整理をおたよりに書くと、“なぜ男の子の飾りが多いの?”という疑問への先回りになります。

意外と忘れられがちなポイントは、保育園では「由来説明」そのものより、説明後に“子どもの言葉”を引き出す設計が大切なことです。例えば「守ってくれるって、何から?」と聞くと、子どもは怪我・怖い夢・おばけ・地震など、生活実感から答えます。そこから防災の導入(ヘルメット=頭を守る)へ自然に接続でき、行事が単発のイベントで終わりにくくなります。

(由来・意味、こいのぼり・兜・柏餅・ちまき等の説明の参考)

こどもの日とは?由来や意味を保育園で子ども向けに説明!:https://hoiku-labo.com/news_277.html

こどもの日 保育園 行事 の製作

こどもの日の製作は、クラス年齢・安全・達成感の3点で設計すると失敗が減ります。代表的なのは「こいのぼり」「かぶと」「五月人形モチーフ」ですが、同じ題材でも工程の組み方で難易度を調整できます。

年齢別の考え方(例)

【0〜1歳児】

・大きめのこいのぼり台紙に、指スタンプやスポンジで模様付け

・シール貼りで“うろこ”を作る(誤飲対策でサイズと素材を厳選)

【2〜3歳児】

紙皿や画用紙でこいのぼりの形を作り、クレヨン+絵の具のはじき絵

・新聞紙かぶとを“かぶる体験”中心に(折る工程は保育者が多めに援助)

【4〜5歳児】

・折り紙かぶと(折る経験そのものが達成感になる)

・共同制作:クラスの大きなこいのぼりを作り、園庭や廊下に掲揚

製作を「行事理解」に寄せるコツは、“説明→作る”ではなく“作りながら意味づけ”をすることです。例えばうろこを貼るときに「何色にする?」「強そう?かわいい?」と問い、最後に「みんなのこいのぼりは、どんな気持ちで泳ぐ?」とまとめると、象徴が子どもの表現に変わります。

安全面では、はさみ・のり・小物パーツの管理が基本ですが、行事前は制作物が増えて保育室が散らかりやすくなります。制作コーナーを固定し、乾かす場所(干す・置く)を最初に決めておくと、作品の破損や誤持ち帰りが減ります。とくに共同制作は、完成前に触って壊れる事故が起きやすいので、掲示高さと導線(ぶつからない位置)まで含めて環境構成すると安心です。

意外な深掘りポイントとして、こいのぼりは「風」がないと泳がないため、自然観察(気象)と相性が良い題材です。製作後に外へ出て、風が弱い日はどう見えるか、強い日はどう動くかを比べると、子どもは“作品が環境とつながる”体験になります。ここまでいくと、制作が飾りで終わらず、探究活動の入口になります。

また、保護者掲示では「制作のねらい」を短く添えると効果的です。例:「指先を使う」「色の選択を楽しむ」「行事に親しむ」など、家庭が“制作=かわいい”以外の価値を理解しやすくなります。

こどもの日 保育園 行事 の柏餅 ちまき 菖蒲湯

こどもの日行事を“体験として記憶に残す”うえで、行事食や菖蒲(しょうぶ)を使った活動は強い要素になります。柏餅・ちまきは地域差もあり、家庭の文化が出やすいので、園で扱うときは「違いがあっていい」を前提にするとトラブルが起きにくいです。

柏餅のポイント

・柏の葉は、新芽が育つまで古い葉が落ちにくい性質が縁起に結びつき、「家系が途絶えない」願いに関連づけられる、という説明があります。

・子どもには「新しい葉が出るまで、古い葉が守ってくれるみたいだね」と言い換えると伝わります。

ちまきのポイント

・地域によって“お菓子のちまき”と“おこわのちまき”など差がある、と紹介されています。

・素材(笹の香り)や包む形に注目すると、味の好みが分かれても活動として成立します。

菖蒲湯のポイント(園での扱い方)

菖蒲湯は、菖蒲の葉や根を湯に入れる風習として紹介されており、こどもの日と結び付けて取り入れられることがあります。園では実際に入浴させるのではなく、たらいにお湯を張り、菖蒲の葉を浮かべて香りや感触を楽しむ“水遊び寄り”の活動にすると実施しやすいです。連休前後で気温差が出る時期でもあるため、びしょ濡れになる遊びは避ける、という注意も保育向け記事で触れられています。

菖蒲については、精油成分(アサロン、オイゲノール)が含まれるという説明も見られます。ここは子どもに直接説明するより、保育者の安全配慮として「肌に合わない子がいるかもしれない」「強い香りが苦手な子もいる」前提で、触れる時間を短くしたり、手洗いを丁寧にしたりする運用が現実的です。

行事食を実施する際の実務ポイント

・食物アレルギー:柏餅の中身(あん)や原材料、ちまきの形態差を事前に給食室と共有

・誤嚥:小さいクラスは提供形態(サイズ・硬さ)を調整し、食べる場面の見守りを厚く

・家庭連携:おたよりで「今日は柏餅(ちまき)を食べました。ご家庭では何を食べますか?」と一言添えると会話が生まれる

(菖蒲湯の由来・やり方、園での取り入れ方の参考)

こどもの日に入る菖蒲湯とは?保育に役立つ由来ややり方:https://www.hoikushibank-column.com/column/post_2903

こどもの日 保育園 行事 の独自視点:防災 かぶと

こどもの日の「かぶと」は、見た目が華やかなだけでなく、“守る”という意味づけがしやすい題材です。保育向けの解説でも、鎧や兜には「災いから子どもを守ってくれるように」という願いが込められている、と紹介されています。ここを園の実践に落とすと、行事が“防災教育の入口”になります。

独自視点としての組み立て例(行事の流れを崩さずに入れる)

  1. かぶと制作(行事としての王道)
  2. かぶとをかぶって写真(達成感)
  3. 「頭は大事」ミニ話(30秒〜1分)
  4. 園の避難訓練の約束を1つだけ確認(増やさない)
  5. おたよりに「かぶと=頭を守る話をしました」と一言

このやり方の利点は、行事の“楽しい雰囲気”を壊さずに、生活に役立つ学びへ接続できることです。しかも防災を前面に出さず、「守る」「大切にする」くらいの温度感で入れるため、怖がりやすい子にも配慮しやすいです。

声かけの具体例(年齢に合わせて短く)

・「かぶとは、あたまをまもるもの。あたまは、とってもたいせつ。」

・「あぶないときは、せんせいのところにあつまるよ。」

・「おはなしをきくことが、じぶんをまもることにつながるね。」

さらに、保護者への共有も効果的です。こどもの日は家庭での会話が生まれやすい日なので、「かぶとを作ったよ」だけでなく、「守るってどういうこと?」を家庭で一言話題にしてもらえると、行事が園外へ広がります。

保育現場では“ねらいを詰め込みすぎない”ことも大切です。防災を入れるなら、約束は1つ、時間は短く、子どもの安心感を守りながら行うのが現実的な落とし所になります。


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