夕焼小焼 保育園 童謡
夕焼小焼 保育園 童謡 歌詞
保育園で「夕焼小焼」を扱うときは、まず“歌詞を丸ごと暗記させる”より、耳に残るフレーズを保育の場面に結びつけるほうが効果的です。例えば「夕焼小焼で日が暮れて」は、園庭遊びの終わり・片付け・手洗いへ移る直前に歌うと、子どもは“行動の予告”として受け取りやすくなります。
歌詞の中には、現代の子どもが日常で触れにくい言葉が含まれます。代表が「小焼け」です。「小焼け」は辞書的には“夕焼けに添えて調子を整える語”と説明されることがあり、意味が曖昧になりやすい一方で、「夕焼けがだんだん薄れていく」などの解釈も紹介されています。保育では結論を一つに固定せず、「夕焼けのあと、空がまだ赤く光っている感じ」「赤がうすくなっていく感じ」など、子どもの観察に寄せた説明が扱いやすいです。
歌詞理解を助けるコツは、短い“ことばの置き換え”を用意することです。
- 「山のお寺の鐘が鳴る」→「おしまいの合図みたいな音がする」
- 「烏と一緒に帰りましょう」→「鳥もおうちに帰る時間」
- 「円い大きなお月さま」→「まんまるのお月さま」
こうした言い換えは、説明が長くならず、歌のテンポも崩しにくいです。
歌詞を“教える”というより、子どもの言葉を引き出す問いが有効です。
- 「今日の空、夕焼けだった？」
- 「帰るとき、どんな音が聞こえる？」
- 「鳥はどこで寝ると思う？」
この問いを重ねると、「夕焼小焼」が“季節の歌”から“生活に根ざした歌”へ変わっていきます。
参考：学習指導要領の共通教材に「夕やけこやけ」が挙げられている（歌唱・鑑賞の扱いの根拠）
文部科学省：小学校学習指導要領（音楽）共通教材「夕やけこやけ」掲載
夕焼小焼 保育園 童謡 意味
この童謡の核は、「夕暮れの情景」と「みんなで帰る安心感」です。子どもにとって夕方は、遊びの継続欲求と疲れが同時に出やすく、切り替えが難しい時間帯でもあります。そこで「おててつないでみなかえろう」というフレーズは、“行動指示”ではなく“情緒の支え”として機能します。
保育園での解釈は、文学的な正解よりも「子どもの経験に接続できるか」が大切です。例えば「山のお寺の鐘」は都市部では体験が少ないため、実際の鐘の音源を短く聴かせたり、鉄琴・鈴で「カーン」という余韻のある音を作ったりすると、言葉と体験がつながります。
また、2番の「子供がかえったあとからは」の視点転換は意外に深いポイントです。子どもが帰った“あと”の世界が描かれ、月・星・眠る小鳥へ場面が移るため、「みんなが帰ったら夜になる」「夜の空はきれい」という時間の連続性を伝えられます。
- 夕方（空が赤い）→帰り道（みんなで帰る）→夜（お月さま・星）
この流れを絵カード3枚で並べるだけでも、幼児には十分に“意味の筋道”になります。
「夕焼小焼」は、1919年に中村雨紅の詞が発表され、その後草川信が作曲し、1923年に楽譜集に掲載され広まったとされます。こうした成立背景は子どもへ詳細に語るより、保育者が持っておくと活動の説得力が増します（行事の由来説明のように、短く要点だけ話せる）。
参考：作者・成立・楽譜が広まった経緯など、作品背景の整理（保育者の下調べ向け）
夕焼小焼 保育園 童謡 年齢
同じ「夕焼小焼」でも、年齢によって“ねらい”と“導入”を変えると、歌が行事芸ではなく日常の道具になります。以下は目安です。
【0〜1歳】音の心地よさ・余韻を味わう
- ねらい：ゆったりしたテンポ、母語の抑揚に近い歌声で安心する。
- 工夫：歌詞は全部歌い切らなくてよい（サビのように聞こえる冒頭だけでも成立）。
- 活動例：抱っこ・ゆらし・窓の外を一緒に見る。
【2〜3歳】“帰る”の気持ちを形にする
- ねらい：「みなかえろう」を生活の切り替えと結びつける。
- 工夫：「おててつないで」を実際の行動とセットにする（手をつなぐ・並ぶ）。
- 活動例：帰り支度前の合図歌、手つなぎ遊び（安全配慮のうえ短時間）。
【4〜5歳】情景を言葉で表す
- ねらい：夕方の空・鳥・月・星などを観察し、感じたことを言葉にする。
- 工夫：「今日の夕焼けは何色だった？」など、正解のない問いで表現を引き出す。
- 活動例：夕方の空の色をクレヨンで1色選ぶ、星のシール貼りで2番を再現。
【5歳〜】文化・地域への入口にする
- ねらい：昔の暮らし（鐘のある風景、日暮れの合図、帰り道）に関心を持つ。
- 工夫：「今は帰る合図って何がある？」（スマホの時計、園の放送、保育者の声）など比較する。
- 活動例：園の“帰りの合図”を子どもと一緒に作る（拍手・鈴・短いメロディ）。
ここで重要なのは、理解を詰め込みすぎないことです。年齢が上がっても「歌える＝わかった」ではなく、「見た・聞いた・感じた」が積み重なると、歌詞の意味が後から育ちます。
夕焼小焼 保育園 童謡 活動
保育園で実践しやすく、かつ“夕焼小焼らしさ”が出る活動を、歌唱以外も含めて整理します。行事向けに盛りすぎるより、日常の小さな活動を継続するほうが定着します。
【活動アイデア：観察＋歌】
- 窓の外の空を見てから、1番だけ歌う。
- 「夕焼けの色」を色カード（赤・オレンジ・紫・灰色など）から1枚選ぶ。
- 選んだ色の理由を一言で共有する（言えない子は指さしでOK）。
【活動アイデア：音作り（鐘・夕方の音）】
- 鉄琴・トライアングル・鈴で「鐘っぽい音」を探す。
- 音を鳴らしたあとは“余韻を聞く時間”を5秒だけ取る。
- 余韻を聞けたら、歌詞の「鐘が鳴る」が“体験の言葉”になる。
【活動アイデア：表現（からす・小鳥）】
- 「烏」は黒い紙をちぎって貼る（形が自由で、苦手な子も参加しやすい）。
- 「小鳥が夢を見るころ」は、目を閉じるポーズで身体表現にする。
- 2番の世界は静かなので、あえて声量を落として歌う練習も合う。
【活動アイデア：安全教育へ接続】
「おててつないで」は、交通安全や集団行動に直結する言葉です。
- 手をつなぐ意味（迷子・飛び出し防止）を短く共有する。
- ただし“恐怖で従わせる”説明は避け、安心のルールとして扱う。
【活動アイデア：行事（お月見・秋）へ接続】
2番には月と星が出るため、お月見の導入歌としても自然です。
- 月を見た日だけ歌う“特別感”を作る。
- 星が見えない日でも「雲の上には星がある」と想像を広げられる。
夕焼小焼 保育園 童謡 放送
検索上位の定番（歌詞・意味・由来）だけでは拾いにくいのが、「夕焼小焼が夕方の放送で流れる」という生活文化です。自治体の防災行政無線や施設の時報として、夕方にこの曲が流れる地域があり、子どもは「帰る時間の音」として体験することがあります。保育園でも、この性質を“園の生活リズム”に合う形へ翻訳できます。
【独自視点：園内“時報”としての使い方】
- 降園準備の5分前に、ピアノで冒頭だけ流す（毎日同じ合図にする）。
- 片付けが苦手な子には、曲が始まったら「まず1個だけ片付ける」など最小目標をセットにする。
- 早帰り・延長など生活の違いがある園では、「帰る子」「残る子」双方が安心できる声かけを添える（“帰る／残る”の優劣にならないように）。
【意外に効く工夫：テンポを“夕方仕様”にする】
夕方のクラスは疲れが出やすいため、元気な曲で引っ張るより、「夕焼小焼」のゆったり感を生かすほうが落ち着きます。テンポを少し落として歌う、強いアクセントをつけない、伴奏の音数を減らすだけで、空気が変わります。
【保護者コミュニケーションにも使える】
連絡帳や掲示で「今週のうた：夕焼小焼」とだけ書くより、
- 「“帰る時間の歌”として歌っています」
- 「2番の“お月さま・星”で夜の空に興味が出ています」
のように、子どもの姿と歌をつなぐ一文があると、家庭でも会話が広がります。
ここまで設計すると、「夕焼小焼」は“季節の曲”に留まらず、保育園の生活・安全・情緒・表現を横断する教材として機能します。
吹奏楽 アレグロ1 CD-12 童謡・唱歌・民謡2 椰子の実 赤とんぼ 浜辺の歌 ふるさと 夕焼小焼 竹田の子守歌 紅葉 おぼろ月夜 里の秋