フリと保育とダンスと発表会と運動会

フリと保育とダンス

フリと保育とダンス:現場で迷わない全体像
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最優先は「全員ができる」

ダンスは完成度より、全員が安心して参加できる難易度設計が要です。苦手な子・幼い子に合わせて、得意な子は「キレ」や「表情」で伸ばします。

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曲は「体になじませる」

練習だけで覚えさせず、遊びや給食の時間に流して耳と体に入れると、指導も子どもの再現もスムーズになります。

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合図(キュー出し)で揃う

集団では「次は右」「次はジャンプ」などの少し早い合図が、転倒防止と一体感づくりの鍵です。

フリの作り方:テーマと観察と回る

 

保育のダンスで「フリ」を作るときは、最初にテーマを決めると迷いが減ります。たとえば季節行事(運動会・発表会)なら、曲や衣装の方向性が揃い、子どもにも説明しやすくなります。実際、オリジナルダンス作りの基本として「テーマを決めよう」が挙げられています。

次に効くのが、子どもの日常動作の観察です。うれしいとき・楽しいときに出る動き(手を叩く、体を揺らす、ぴょんと跳ぶ等)を材料にすると、子どもにとって無理のない「フリ」になり、自然に笑顔が出やすいとされています。

「回る・とび跳ねる・走る」系は子どもが好きで、見栄えも作りやすい動きです。特に「くるっと1回転して、ジャンプしながら両手足をパッと開く」ような、短くて派手な型は、盛り上がりポイントとして使いやすいと紹介されています。

一方で、意外に落とし穴なのが“ゆっくり”です。ゆっくりした動きは子どもが苦手になりやすく、テンポがよくメリハリがあるほうが踊りやすいという指摘があります。テンポが遅い曲を選ぶ場合でも、動き自体は「止める→動く」の切り替えをはっきりさせると成立しやすいです。

・フリの材料にしやすい動き例(現場で即作れる)

✅ ジャンプ→着地でポーズ

✅ くるっと回る→最後に拍手

✅ 両手を大きく振る→左右に体重移動

✅ 走る代わりに「早歩き」や「その場かけ足」

フリの教え方:オノマトペと合図

「フリ」を教えるときは、動作の言語化より“イメージ化”が効きます。たとえば「回るよ」より「クルっと1回転」のように、オノマトペや例えを使うとイメージしやすく、注意も引きやすいとされています。

集団を揃える最大のコツは「キュー出し(合図)」です。子どもが動き出す準備ができるよう、少し早めに「次、右」「次はジャンプ」などと声をかけるのが大切で、タイミングがずれると転倒やつまずきにつながることもあるため、安全面でも重要だと説明されています。

参考)保育園・幼稚園で人気の手遊び・ダンス(おかあさんといっしょに…

「先生が楽しむ」こと自体が指導技術になる点も見逃せません。先生が焦ってピリピリすると子どもは空気を読み、動きが硬くなりがちですが、先生が楽しむと子どもも一緒に楽しみやすい、とされています。

・合図の出し方(明日からの型)

📣 「せーの」で始めない:常に次の動きを先読みで言う

📣 長い説明をしない:単語+ジェスチャーで伝える

📣 失敗を止めない:止めてやり直すより、流れで戻す

📣 褒めるポイントを決める:「手が大きい」「笑顔が見えた」等

発表会と運動会:曲とテンポとレベル

発表会や運動会では、「全員が揃って見える」設計が最優先です。紹介記事でも、ダンスのレベルは“苦手な子・幼い子に合わせる”のが基本で、得意な子は精度や表現で伸ばすという考え方が示されています。

曲選びの段階で、テンポが速い・歌詞が難しいなどの要因がある場合は、振り付け側で“ゆっくりに見せる工夫”が必要になります。別の保育向けダンス記事でも、曲のテンポは子どもが合わせられる速さに調整すると揃って見えて完成度が上がる、という趣旨で述べられています。

参考)発表会で使えるダンスの振り付けはどうやって考える?~幼稚園・…

ここで大切なのは、難しい動きを増やすより、同じ動きの反復で“集団の一致”を作ることです。サビに「ジャンプ→ポーズ」「左右フリ→拍手」のような繰り返し構造を置くと、観客側にもわかりやすい見どころになり、子どもも覚えやすくなります。

発表会/運動会で事故を減らす工夫

⚠️ 走る動きは「早歩き」「ステップ」に置換(衝突・転倒を減らす)

⚠️ 1回転は連続させない(目が回る子への配慮)

⚠️ 隊形移動は回数を絞る(練習時間が限られるため)

⚠️ 合図の声が届かない想定で「目印の手」を作る(先生が手を上げたら次へ等)​

参考:オリジナルダンスの作り方(テーマ設定・観察・レベル調整・曲を体になじませる)

振り付けにもう悩まない!保育園のオリジナルダンスのつくり方と教え方 - 保育・看護で働く人を応援するメディア【お役立ちコラム】 | キララサポート
お遊戯会やイベントの定番と言えば「ダンス」。保護者さんにとってはお子さんの成長を感じることのできる機会ですが、保育士さんたちはダンスを考えたり、教えたりと大忙し!「そもそもどうやってダンスをつくったらいいんだろう」といったお悩みに応えるべく...

参考:発表会ダンスの考え方(キュー出し・わかりやすい表現)

発表会で使えるダンスの振り付けはどうやって考える?~幼稚園・…

フリの練習:給食と習慣化と動画

練習を“練習時間だけ”に閉じないのが、保育のダンスでは強い方法です。オリジナルダンス作りのポイントとして、曲を遊びや給食の時間にかけて「耳と体になじませる」と、先生は教えやすく、子どもは踊りやすくなると紹介されています。

また、家庭練習が絡む行事では、練習の“習慣化”が効果的だとされ、帰宅後10分など短い時間でも「時間を決める」ことが提案されています。加えて、鏡がなくてもスマートフォンで動画撮影すると自分の動きがわかり修正でき、上達につながると説明されています。

現場側のコツとしては、子ども向けの「確認タイム」を短く挟むことです。たとえばサビ前に10秒だけ“ポーズ確認”、間奏で“手だけ確認”のように分解すると、できない子が置いていかれにくく、合図(キュー出し)も通りやすくなります。

・練習の回し方(時間がない園向け)

🕒 1回目:先生が楽しんで見せる(正確さより雰囲気)​

🕒 2回目:手だけ、足だけで分解

🕒 3回目:合図(キュー出し)を入れて通す​

🕒 4回目:できた子に“見本係”をお願いして横に置く(安心感が出る)

フリの独自視点:先生の負担と見ばえ

検索上位の定番は「曲」「振り付け」「教え方」ですが、現場で実は効くのが“先生の負担を先に減らす設計”です。ダンスを教える側が「仕上げなきゃ」とピリピリしやすいこと自体が語られており、まず“楽しく踊れることが一番大切”とされています。

そこで、見ばえと省力化を両立する小技として「固定の見せ場」を先に作る方法があります。前述のように、短く派手な型(例:くるっと1回転+ジャンプ+手足をパッと開く)は、観客に伝わりやすく、保護者の反応も得られやすい動きとして挙げられています。これを曲の同じ場所に固定すると、先生側は毎回の練習で“そこだけは必ず褒める”ポイントを持てるため、指導が安定します。

さらに、子どもが苦手になりやすい「ゆっくりした動き」を減らし、テンポとメリハリを意識すると、子ども自身の“できた感”が出やすいという見立てもできます。上手さを揃えるより、「合図で動けた」「笑顔でできた」を揃えるほうが、結果として集団の一体感が出やすいです。

・見ばえが上がるのに簡単な工夫(省力)

✨ サビ頭は全員同じポーズで止める(写真タイムになる)

✨ 片手だけの動きを増やす(左右混乱が減る)

✨ “おしりふりふり”など子どもが喜ぶ動きを入れる(集中が戻る)​

✨ 難しい子は「場所を守る係」にする(動きより隊形キープが成功体験になる)


家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。