バグパイプと保育とBGM
バグパイプの保育BGMの効果と子どもの反応
バグパイプは、音の立ち上がりが強く、持続音（伸びる音）が特徴的で、「入場」「切り替え」「非日常感」の演出に向くタイプの音色です。
特に行進（マーチ）系のリズムと相性が良く、子どもが“歩きたくなる”“隊列を作りたくなる”反応が出やすいため、移動導線づくりにも使えます。
一方で、強い倍音が耳に刺さりやすく、初見の子は驚いて固まることがあります。保育での導入は、いきなり大音量で流すより「短いフレーズ→停止→感想共有→もう一回」の順で、安心できる見通しを作ると安定します。
また、バグパイプは“怖い”より“知らない音”として受け取られることが多いので、導入時に「どこの国の音？」「お祭りの音みたい？」のように言語化してあげると、情緒が落ち着きやすいです。園ブログ等で子どもの声を記録すると、保護者にも納得感が伝わります。
バグパイプの保育BGMの選び方と音量と時間
選曲のコツは、テンポと音域の“刺激”をコントロールすることです。
バグパイプは同じ楽器でも、(1)マーチ寄り、(2)哀愁のある民謡寄り、(3)ファンタジー系SE寄り…で印象が大きく変わるので、まず用途を決めます。
おすすめの使い分け例（現場で回しやすい順）
- 朝の受け入れ：穏やかな旋律・ゆっくり（子どもが驚かない）
- 片付け・切り替え：短いフレーズ・テンポ中（合図として機能）
- 行事の入場：マーチ・テンポ一定（姿勢と歩行を整えやすい）
- お昼寝前：原則、バグパイプは避ける（刺激が残りやすい）
音量は「保育者同士が普通の声で会話できるか」を簡易基準にします。強い音色は“実際の音量以上に大きく感じる”ため、BGMとして流すなら最初は小さめが安全です。
時間については、流しっぱなしより「ここぞの1〜2分」を積み重ねた方が、子どもにとって合図として理解されやすく、保育者側もねらいを説明しやすくなります。
バグパイプの保育BGMと音楽著作権とJASRAC
保育現場でBGMを扱うとき、迷いやすいのが「園内で流す」以外の利用です。
JASRACの案内では、施設でJASRAC管理楽曲をBGMとして流す場合の手続きや、CD等を別媒体にコピーして使う場合には複製の手続きも必要になる点が示されています。
また、JASRACは学校での音楽利用について、授業のための複製や営利を目的としない演奏・上映など、条件によって手続きが不要なケースがある一方で、動画に音楽を入れることや配布目的の録音・録画などは「複製」にあたり手続きが必要になるケースを例示しています。
参考）Instagram
保育園は学校と制度が異なる部分もあるため、「園内BGM」「行事の撮影」「DVD配布」「園サイトやSNS公開」は、同じ“BGM”でも扱いが変わると理解しておくと事故が減ります。
さらに注意点として、JASRACのページでは、市販CDなどを使う場合に著作隣接権者（レコード会社・演奏者等）の了解が必要になる旨も触れられています。
つまり「曲の著作権」だけでなく「音源の権利」も別に考える必要があり、園の動画制作でトラブルになりやすいポイントです。
参考リンク（施設でのBGM手続き・免除条件の考え方の参考）
https://www.jasrac.or.jp/users/facilities/pdf/facility12.pdf
参考リンク（学校での音楽利用：複製・公開・隣接権の注意点の参考）
バグパイプの保育BGMの入手先と著作権フリーと素材
バグパイプのBGMは、動画サイトの音源をそのまま使うより、最初から商用利用（園運営の範囲）を想定した音源素材サービスを使う方が、確認が一本化しやすいです。
たとえばAudiostockには「バグパイプ」カテゴリのBGM素材が多数掲載され、ロイヤリティフリーとして購入・ダウンロードできる形が示されています。
ただし「著作権フリー」「ロイヤリティフリー」は、何でも無条件にOKという意味ではありません。園の用途としては、最低でも次を確認すると安全です。
- 園内でのBGM再生：可否（店舗BGM扱いになるか等の整理）
- 行事動画への組み込み：可否（編集・同期の可否）
- DVD配布：可否（複製・頒布の範囲）
- YouTubeや園サイト公開：可否（公衆送信、収益化の有無）
また、同じ曲名でも「録音物（音源）」が別なら権利者が異なることがあります。JASRACの説明でも、市販CD等の利用では著作隣接権者の了解が必要になる点が注意されています。
現場では“曲”と“音源”を分け、購入元の利用規約を園内で共有（紙一枚でOK）しておくと、引き継ぎが格段に楽になります。
バグパイプの保育BGMの独自視点：避難訓練と合図と無音の設計
検索上位では「おすすめBGM」「行事向け」が中心になりがちですが、保育の音環境は“鳴らすこと”だけでなく“鳴らさないこと”の設計が同じくらい重要です。
バグパイプは存在感が強いぶん、日常の中で使い所を絞ると「合図」として機能しやすく、保育者の声かけを減らす方向に使えます。
避難訓練での応用例としては、非常ベルの代替ではなく「集合開始の合図」「移動開始の合図」のように、訓練の一部分だけに短く入れる方法があります。
音の合図を固定すると、子どもは“聞く→動く”の連動が作りやすい一方、刺激が強い音は不安も呼ぶので、事前に「今から合図の音を鳴らすよ」と予告するのがポイントです。
さらに意外と効くのが「無音の時間」をセットで作ることです。
- バグパイプBGMを10〜20秒だけ流す
- スッと止める（無音）
- 無音の間に保育者が短い指示（1文）
この設計だと、音に注意が向いた直後の“静けさ”で言葉が通りやすくなり、結果的に大きな声を出さずに済むことがあります。
著作権面でも、短い合図用途の運用は「何のために流すか」を説明しやすく、園内ルール化しやすい利点があります（ただし、撮影して配布・公開する場合の扱いは別途整理が必要です）。
音楽を“盛り上げる道具”だけにせず、“行動を整える道具”として設計すると、バグパイプの強いキャラクターが保育の味方になります。
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