音楽の時間 保育園 音楽あそび
音楽の時間 保育園 音楽あそび ねらい
音楽の時間を「なんとなく歌う時間」にしないために、最初に“ねらい”を言語化します。音あそび・楽器遊びの解説では、乳児は「音が鳴る楽しさや不思議さを味わう」「音楽に合わせて体を動かしてリズム感を楽しむ」「さまざまな楽器に興味を持つ」といった方向性が示されています。いずれも“技能の上達”より前に、音と身体の気持ちよさ、好奇心、安心感を土台にする発想です。
幼児になると、ねらいは少しだけ「構造」を持ちます。例えば「音を聴いてまねる」「友だちと合わせる」「素材から楽器を作って音を比べる」など、音の違いに気づいたり、他者と一緒に作る経験が入りやすくなります。ここで大切なのは、上手に演奏できることをゴールにしないことです。最初の段階では“正しいリズム”よりも、音を出す行為そのものに慣れ、安心して試行錯誤できる雰囲気を作るのがコツだとされています。
また、リトミックの整理も、ねらい設定のヒントになります。リトミックは「音楽に親しみながらのびのび身体を動かす楽しさ」「身体を使って自由に表現する面白さ」「友だちと表現する楽しさを共有する」といった目的が挙げられており、音楽=鑑賞や演奏だけではなく、“表現あそび”としての価値が中心に置かれています。つまり音楽の時間は、子どもが安心して自分の表現を出せる「場づくり」でもあります。
音楽の時間 保育園 音楽あそび 指導案
指導案づくりは、活動を増やすより「見取りたい姿」を先に決めると整理が早くなります。音遊び・楽器遊びの資料には、期待される姿として「相手の動きを真似して、リズムに合わせて身体を動かし運動能力を高める」「楽器に触れて音楽表現を豊かにする」「音・色・動きから感性を豊かに養う」といった観点が示されています。これをそのまま“観察ポイント”に落とすと、記録も書きやすくなります。
指導案の構成例(そのまま園内のメモに転用できる形)を提示します。
・ねらい:音を出す面白さを味わう/友だちと同じテンポを感じる/身近な素材の音の違いに気づく
・環境:座る配置(円・コの字)/楽器の置き方(取りやすい・ぶつからない)/音量が上がりすぎない距離
・導入:いつもの始まりの合図(歌・手拍子など)で切り替える
・展開:模倣→自由→合わせる(合奏・交代)
・まとめ:終わりの合図(同じ曲で締める、片付けを音で合図する等)
・評価:音量調整できたか/まねる・提案する・待つが見られたか
意外に効く小技は「始まりの曲・終わりの曲を固定する」ことです。リトミックの注意点として、始まりと終わりで“毎回決まった音楽を繰り返し流す”と、子どもが活動の始まりを期待し、終わりで気持ちを切り替えやすいとされています。音楽の時間が落ち着かないクラスほど、内容を派手にするより“枠”を一定にした方が、結果的に集中が伸びやすいです。
音楽の時間 保育園 音楽あそび 活動例
活動例は「歌う」「踊る」「鳴らす」だけに絞る必要はありません。音遊び・楽器遊びの具体例として、楽器を鳴らす基本(持ち方を見せて真似する→慣れたら音楽に合わせて合奏)、手作り楽器(ペットボトル+木の実などのマラカス)、音当てクイズ、音集め、演奏会などが紹介されています。これらは“音に気づく”“音を選ぶ”“音を共有する”が自然に起きる設計になっています。
年齢別に、同じアイデアをどう変えるか(現場で使える形に)をまとめます。
・0〜1歳:握れる楽器(鈴・マラカス)で「振る」「止める」だけでも十分/活動は短く、同じ流れを繰り返す
・2歳:ジャンプ・手拍子・ステップで「速い・遅い」「止まる」を入れると、音と身体がつながる
・3歳:行進、布を上下(パラバルーン的な動き)など、集団で同じ動きを“合わせる”体験が増やしやすい
・4〜5歳:簡単な劇・役になりきる・グループで楽器を分担し、友だちと相談して音を作る
「音当てクイズ」は、実は生活音にも広げられるのが強みです。資料では、楽器だけでなく、教室の中で静かに耳を澄ませて聞こえてきた音(先生の声、外のサイレンなど)を発見するのも面白いとされています。音楽の時間を“園生活そのものの聴く力”に接続できるため、落ち着きづくりにも役立ちます。
音楽の時間 保育園 音楽あそび 注意点
音楽の時間は盛り上がるほど、事故と過刺激のリスクも上がります。音遊び・楽器遊びの注意点として、バチやビーターなど“長い物”を使うときは、持って移動しないよう注意することが挙げられています。活動の前に「座って鳴らす」「立つときは床に置く」といった簡単な約束を入れるだけで、トラブルが減りやすいです。
もう一つは“音が苦手な子”への配慮です。資料でも、大きな音や一度にたくさんの音を聞くのが苦手な子がいるため、イヤーマフを使う、ひとつの音だけにするなどの対応が紹介されています。ここは「その子だけ特別」ではなく、「耳を休める席」「小さい音コーナー」などクラス全体の仕組みにすると、本人の負担感が下がりやすいです。
環境面では、同時に鳴らす人数を制限するだけでも効果があります。例えば、最初は半分の子だけが鳴らして、残りは“聴く係”にする(交代制)と、音量が下がり、聴く経験も増えます。さらに、楽器の種類を絞る(鈴だけ、タンバリンだけ)→徐々に増やすと、音の洪水になりにくいです。
音楽の時間 保育園 音楽あそび 独自視点
検索上位の多くは「リズム遊び」「楽器遊び」「リトミック」の定番紹介になりがちですが、現場で差が出るのは“音のデザイン”です。おすすめは「同じ活動を、音の条件だけ変えて再実施する」ことです。たとえば同じ「音集め」でも、①小さい音しばり、②高い音しばり、③遠い音しばり(廊下の足音・風の音)にすると、子どもの集中の質が変わり、観察も深まります。
もう一つの意外な視点は「正しい音」より「音の余白」を扱うことです。音当てクイズの前に10秒だけ“無音タイム”を作ると、次の音が際立ちます。無音は子どもにとって退屈ではなく、「何かが始まる前ぶれ」になりやすいからです。結果として、合図の声を荒げなくても切り替えが起こりやすくなります。
最後に、保育者側の負担を下げる工夫も音楽の時間の質に直結します。リトミックでは「子どもの動きや流れに合った即興性のある音楽が効果的」で、ピアノなどで進行に合わせて演奏を工夫できるとされていますが、毎回即興は難しいこともあります。そこで「始まりと終わりの固定曲」+「展開は2パターンだけ(模倣/自由)」のように“型”を持っておくと、忙しい日でも質が落ちにくいです。
参考:音遊び・楽器遊びのねらい、活動例、注意点(音が苦手な子への対応・事故対策)がまとまっています。
音遊び・楽器遊び【遊び方・ねらい解説】|保育士・幼稚園教諭の…
参考:リトミックのねらい、年齢別のやり方例、決まった音楽を繰り返す等のポイントが具体的です。
https://www.hoikushibank-column.com/column/post_2012

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