音楽活動と保育の音楽あそびリズム遊び

音楽活動と保育の音楽あそび

音楽活動と保育の音楽あそび:押さえる3本柱
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まずは「音が出る」体験

0〜2歳は“正しくやる”より、鳴らす・聴く・まねるでOK。音の不思議さと楽しさが土台になります。参考:音遊び・楽器遊びのねらい(ほいくis)

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リズム遊びで「身体」とつなぐ

拍や強弱、テンポの変化は、身体の動きで感じると理解が早いです。安全なスペース確保と活動時間の区切りがカギ。参考:リトミック/リズム遊び解説記事

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歌あそび・合奏で「人」とつなぐ

3〜5歳は、友だちと合わせる・役割を持つ・発表するで社会性が伸びます。行事のためだけでなく、日々の小さな“演奏会”を積み重ねます。参考:年齢別ねらい/指導案例

音楽活動の保育の音楽あそびのねらいと言葉かけ

 

保育の音楽あそびは、「歌う・聴く・鳴らす・動く」が混ざり合う活動です。まず押さえたいのは、保育所保育指針で音楽表現が領域「表現」に位置づく点で、子どもが音や音楽に親しみながら感性や表現の芽生えを育む方向性が示されています。

参考リンク(指針の一次情報:表現の位置づけの確認に有用)

保育所保育指針(厚生労働省)

現場で効果が出やすい言葉かけは、「上手だね」より「今の音、雨みたい」「そのリズム、走ってるみたい」と“音のイメージ”を返すことです。音の正解探しにすると慎重になりがちですが、イメージのやりとりにすると参加のハードルが下がり、自由な表現が広がります。

また、保育者が“全員を同じ動きにそろえる”ことを急ぐと、音楽あそびが体操の時間になってしまいます。リトミック関連の解説でも、子どもの素直な表現を尊重し、否定しないことが重要だとされています。

音楽活動の保育のリズム遊び:年齢別アイデア

リズム遊びは、音楽に合わせて身体を動かすことで、リズム感だけでなく運動・集中・協調にもつながると整理されています。年齢別に「できること」を小さく見積もるほど、活動は安定します。

  • 0〜1歳:音が鳴る→止まる、の変化が分かるだけで十分(例:保育者が手拍子を“1回だけ”して、子どもが反応するのを待つ)。
  • 2〜3歳:まねっこが伸びる時期なので、「トントン」「ドンドン」など擬音のリズムで身体化する(歩く・跳ぶ・しゃがむの3種類で十分盛り上がる)。
  • 4〜5歳:友だちと合わせる楽しさが増えるので、2グループに分けて“交代で鳴らす”などルール性を少し入れる(音の強弱やテンポも扱いやすい)。

活動設計のコツは「動きの種類を増やす」より「音の合図をはっきりさせる」ことです。始まりと終わりを毎回同じ合図(同じ短いフレーズやチャイム)にすると、切り替えがスムーズになりやすいと紹介されています。

音楽活動の保育の楽器遊び:音集め・演奏会の展開

楽器遊びは、高価な楽器がなくても成立します。音遊びの実践例として、テーマを決めて身の回りの“音が出るもの”を見つける「音集め」や、好きな曲に合わせて鳴らす「演奏会」などが提案されています。

参考リンク(遊び方・おすすめ曲の具体例がそのまま使える)

音遊び・楽器遊び【遊び方・ねらい解説】(ほいくis)

「音集め」は、室内でも園庭でもでき、しかも“勝ち負け”が起きにくいのが利点です。子どもが見つけた音をみんなの前で鳴らすとき、保育者は評価よりも「その音、どこで鳴らしたの?」「もう一回聞かせて」と興味で返すと、次の探究が生まれます。

「演奏会」は、曲に合わせるだけでなく、あえて“無音の時間”を入れると集中が跳ね上がります。例えば、保育者が手を挙げたら全員ストップにすると、音が止まる体験そのものが楽しくなり、合奏が整っていきます。

音楽活動の保育の歌あそび:選び方と導入

歌あそびは、日課(あいさつ・片付け・移動)と相性が良く、生活の流れに自然に組み込めます。音楽が保育の多くの場面に関わっているという整理もあり、“活動の時間”だけに閉じ込めない視点が重要です。

参考リンク(音楽が保育にどう位置づくかの整理に有用)

なぜ音楽が幼児教育にとって重要?(園ブログ)

選曲の現実的な基準は「子どもが知っている」より「保育者が安定して歌える」です。テンポが揺れると子どもは迷子になりやすいので、短い歌を“毎日同じ入り方”で繰り返す方が、結果的に子どもが歌い出します。

導入は、いきなり歌詞を全部歌うより、サビだけ・擬音だけ・手拍子だけで入り、子どもの反応が出たら少しずつ足すのが安全です。特に1〜2歳は「音程」より「抑揚と間」で伝わるので、保育者が“語りかけるように歌う”だけで十分成立します。

音楽活動の保育の音楽あそび:独自視点「音量デザイン」

検索上位の記事では「ねらい」「年齢別」「アイデア」は多い一方で、意外と語られにくいのが“音量の設計”です。しかし実際は、音楽あそびの事故・混乱・疲れの多くが、音量の上がり方(興奮の上がり方)と関係します。リトミックの注意点でも、安心できる環境や適度な音量、スペース確保への言及があり、音の扱いは安全と直結します。

音量デザインの実務ポイントはシンプルです。

  • 最初は小さな音:いきなりタンバリン全開にしない(導入は手拍子や指鳴らし、机トントンから)。
  • 音が大きくなる場面を決める:盛り上がりポイントを1回だけ作る(“ずっと大きい”は疲れる)。
  • 無音を入れる:止まる経験があると、次の音が揃う(合図が理解しやすい)。
  • 子どもの耳を守る:近距離での大音量(鈴・タンバリンの連打)を避ける配置にする。

この設計を入れると、同じ題材(リズム遊び・楽器遊び・歌あそび)でも、保育者の負担が一段下がり、子ども側も落ち着いて楽しめます。結果として「できた/できない」ではなく「気づいた/試した/面白かった」を積み上げる音楽活動になり、日々の保育に戻しやすくなります。


松岡直也&ウィシング・ライブ~音楽活動60周年記念~ Disk2