おべんとうばこのうた 歌詞 昭和
おべんとうばこのうた 歌詞 昭和の由来と広まり
「おべんとうばこのうた」は、作詞が香山美子さん、作曲が小森昭宏さんの童謡として知られつつ、原曲は作詞・作曲者不詳のわらべうた(伝承歌)とされる点が特徴です。つまり「昭和の歌」とひとことで言っても、昭和に“商品化・放送で普及した部分”と、それ以前から続く“伝承の核”が同居しています。
昭和期に広く知られるきっかけとしては、テレビ番組内で歌われたこと、そして1978年にシングルレコードとして発売されたことが挙げられます。1978年発売という事実は、「昭和の保育園の定番」と言われる背景(当時の子ども番組・家庭への浸透)を説明しやすい材料になります。
また面白いのが、歌の中に“お弁当そのもの”だけでなく、動物が登場するバージョンがある点です。わらべうた版では動物が登場しない一方、香山美子さん・小森昭宏さんのシングル版ではゾウやアリなどが登場し、同じ曲名でも「歌詞構成が複数ある」ことが、昭和歌としての流通の仕方を物語っています。
参考:曲の概要・1978年発売・わらべうた由来・歌詞バージョン差の確認(概要・歌詞の節)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8A%E3%81%B9%E3%82%93%E3%81%A8%E3%81%86%E3%81%B0%E3%81%93%E3%81%AE%E3%81%86%E3%81%9F
おべんとうばこのうた 歌詞 昭和の保育園での手遊びポイント
保育園での実践としては、「歌詞に合わせて食材を順番に詰める動き」を“見せる→真似する”流れに落とすと安定します。対象年齢の目安は3歳児〜5歳児とされ、複雑なルールより「繰り返し・メリハリ」で乗せていくのが基本です。
指導のコツは、同じ歌詞を繰り返しながらも、振り付けの大きさやテンポに変化をつけることです。たとえば「大きいゾウさんのお弁当」「小さいアリさんのお弁当」といった導入を入れて、動作を大げさにしたり小さくしたりすると、子どもが“同じ歌の別バージョン”として理解しやすくなります。
さらに、先生側が意識したいのは“動きの輪郭”です。細かい指先よりも、腕や手の移動をはっきりさせると、距離がある集団でも模倣が揃いやすく、クラス全体が気持ちよく同時に動けます。
参考:対象年齢・実演ポイント・テンポや大きさの変化・アリ/ゾウ導入(実演のポイント/対象年齢の節)
https://hoiku-is.jp/article/detail/2412/
おべんとうばこのうた 歌詞 昭和の具材と昭和らしさ
この歌が「昭和っぽい」と感じられる最大の理由は、歌詞に出てくる具材のラインナップです。おにぎりに加えて、ショウガ、ゴマ、ニンジン、(サンショウまたは別バージョンでさくらんぼ)、シイタケ、ゴボウ、レンコン、フキなどが登場し、いわゆる“渋い和の副菜”が並びます。
ここで大切なのは、現代の子どもが「好きじゃない」で終わらせないことです。保育の場では、具材を「におい」「歯ごたえ」「色」など感覚の言葉に置き換えると、食育(五感)へ自然につながります。たとえば、レンコンは“穴があいている”、フキは“すじが通っている”という観察ポイントが、歌詞内にそのまま埋め込まれているので、図鑑や実物と接続しやすい教材になります。
また、歌詞が「数え唄」的に具材が並ぶため、時代によって具材をアレンジする実践が昔から起きやすい構造です。現代では具を現代風に変えたり、サンドイッチ版の替え歌が存在したりすることも知られており、「固定された正解が一つ」というより“場に合わせて育つ歌”として扱うほうが、保育現場の実態に合います。
おべんとうばこのうた 歌詞 昭和のよくある歌詞違いと注意点
この曲は知名度が高いぶん、「聞き間違い・思い込み」が広まりやすい側面があります。代表的なのが「おにぎり おにぎり ちょいと つめて」が「おにぎりを握り ちょいと つめて」だと思われがちな点で、歌詞の混同はSNSなどでも話題になってきました。
保育園や家庭向けブログ記事では、ここを“断定して叱る話”にせず、「複数バージョンが流通している」「替え歌・地域差が生まれやすい歌」という前提で丁寧に整理すると炎上を避けやすいです。特に、著作権の観点から歌詞を全文掲載しない方針の保育系メディアもあるため、引用の仕方(必要最小限・出典明示)や、歌詞は公式・大手歌詞サイト/動画で確認してもらう導線設計が安全です。
実務的には、行事前(遠足の前など)に歌う場合は「クラスで歌う歌詞を一つに揃える」だけでトラブルが減ります。先生同士で“言い回しの決定版”を共有し、保護者向け資料や発表会の台本にも同じ表記を使うのが無難です。
おべんとうばこのうた 歌詞 昭和を今の保育園で活かす独自視点
検索上位では「歌詞」「手遊び」「対象年齢」などの説明が中心になりやすい一方、現場で効くのは“歌をコミュニケーション設計に落とす”視点です。ここでは独自視点として、同じ歌を「導入」「切り替え」「振り返り」の3用途に分けて使う方法を提案します。
-
導入(朝の会・活動前)🎒:歌詞の「これくらいの…」のところで、手を四角にして“今から作るよ”の合図にする。
-
切り替え(移動・整列)🚶:あえてテンポを落とし、動きを大きくして、落ち着いて真似するモードに入れる。
-
振り返り(給食前・食育)🍱:具材の名前を言い換える(例:レンコン=穴のあいた野菜)など、観察言語を増やす。
さらに、昭和歌の良さは「余白がある」ことです。具材が渋いからこそ、子どもたちが実物を見た経験の差が出やすく、「知ってる!」「知らない!」が対話のきっかけになります。ここを先生が拾って、給食の献立や畑活動(園の菜園)に接続すると、“歌→生活”の回路が太くなり、単なる手遊びで終わりません。
最後に、保護者向けのブログ記事で差がつく小ネタとして、「同じ曲名でも動物が出る版と出ない版がある」点を紹介すると、昭和の記憶(親世代)と園での体験(子ども世代)のズレを、肯定的に説明できます。親が知っている歌詞と園で歌う歌詞が違っても、それは間違いではなく“広まり方とバージョン差”の結果だと伝えるだけで、家庭側のモヤモヤを減らせます。


