さくらさくら 歌詞 意味 霞 雲 弥生 空

さくらさくら 歌詞 意味

さくらさくら 歌詞 意味:この記事でわかること
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歌詞の情景がはっきりする

「霞か雲か」「朝日ににおう」など、保育園でもよく歌うフレーズを“場面”としてイメージできるように整理します。

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「弥生」「におう」の言葉がわかる

古い言い方の意味がわかると、子どもへの声かけ(たとえば「今の言葉だとどう言う?」)がしやすくなります。

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“もともと歌ではない”意外な背景

実は箏(こと)の手ほどき曲として広まり、学校教材に載るのは意外と後の時代だった、という流れも押さえます。

さくらさくら 歌詞 意味:霞 雲 みわたす かぎり

 

「さくらさくら」の核は、広い景色を一気に見渡したときの“視界いっぱいの桜”を、霞や雲にたとえて描くところにあります。1番の「のやまも さとも みわたす かぎり」という言い回しは、桜が山にも里にも続いて、どこまで行っても春色が途切れない感じを出しています。これは保育園の子どもにも伝えやすく、園庭や散歩道で「ここから向こうまで、ぜんぶピンクに見える日があるよね」と体験に結びつけられます。

「霞(かすみ)」は、空気中の細かな水滴やちりで遠くがぼんやり見える現象を指し、“もや”や“霧”と近い自然現象です。さらに、季語として春に用いられやすいのが「霞」という点も、この歌の春らしさを強めます。歌詞の「霞か雲か」は、現実の霞や雲を言っている場合もあれば、桜の色が霞のように見える比喩としても読めるため、同じフレーズでも“見る人の位置や気分”で表情が変わります。

ここは保育の現場だと、歌いながら「霞ってなに?」「雲ってなに?」と問うよりも、写真や絵で「遠くが白っぽく見える日」を見せて、「この白っぽいのが霞」と短く結びつける方が理解が早いです。子どもが「雲!」と言ったら正解にしてよく、歌の中では“春の空気のふんわり感”をまとめて味わえば十分です。

さくらさくら 歌詞 意味:弥生 空 やよいの そらは

2番に出てくる「弥生(やよい)」は旧暦3月の呼び名で、草木が生い茂る月という意味を持つ言葉です。旧暦3月は新暦の3月下旬〜5月上旬ごろに当たり、桜が満開になりやすい時期とも重なります。つまり「弥生の空」は、桜の季節の空、もっと言えば“春の空気が満ちてくる時期”を指していると考えると読みやすくなります。

また、1番は「野山」「里」と地上の広がりを見ているのに対し、2番は「空」に視線が上がるのがポイントです。子どもの活動に引き寄せるなら、散歩で「下(花)を見る」「上(空)を見る」をセットにして、同じ春でも見方が変わることを体験にできます。保育園の歌として扱うとき、2番を歌う前に「今度は空を見上げる場面だよ」と一言添えるだけで、歌が“ただの暗記”から“場面の再生”に変わります。

さくらさくら 歌詞 意味:におう 朝日 においぞ いずる

「におう」は現代語だと“香り”の意味で受け取られがちですが、古い用法では「鮮やかに色づく」「照り映える」という意味でも使われます。だから1番の「あさひに におう」は、香りというより、朝日に照らされて桜がぱっと明るく見える情景として読むと自然です。子どもにも「朝の光でピンクがもっときれいに見える、ってこと」と言い換えると、すっと入ります。

一方、2番の「においぞ いずる」は、状況によって“香りがただよってきた”と読む解釈がしっくり来ます。2番は空を見上げる視線なので、「霞や雲」を現実の空の霞・雲として捉えやすく、そこにふわっと桜の気配(香り)が混ざる、という物語が立ち上がります。つまり同じ「におう」でも、1番=光で色が映える、2番=香りが立つ、と読み分けると歌全体に流れが生まれます。

保育園で歌う場合、子どもに難しい語の説明を長くするより、活動で補うのが有効です。たとえば、晴れた朝と夕方で同じ桜を見比べて「光で色が変わる」を体験し、室内では桜餅や桜茶の香り(アレルギー配慮は必須)を“春のにおい”として軽く扱うと、言葉が身体感覚につながります。

さくらさくら 歌詞 意味:箏 曲 集 うたの ほん

「さくらさくら」は“古くからの日本の歌”というイメージが強い一方で、もともとは幕末〜江戸で子ども向けの箏(こと)の手ほどき曲として作られ、作者は不明とされています。さらに、1888年(明治21年)に音楽取調掛の『箏曲集』に「桜」として掲載され、そこで歌詞が整えられたことが、現在につながる大きな節目です。つまり「日本古謡」と言われつつも、歌詞の形は明治に整理された面がある、というのが意外なポイントです。

そして、学校教材として登場するのは早い時期ではなく、1941年(昭和16年)に文部省の『うたのほん 下』に収載されたのが最初、という話も知られています。これにより「さくらさくら」という題や歌詞の形がさらに整えられ、全国で共通の教材として歌われやすくなりました。保育園で歌う曲として定着した背景には、こうした“教材化”の流れがあるわけです。

参考リンク(歌詞の成立・『箏曲集』や『うたのほん』など、年代の流れが整理されています)

https://ontomo-mag.com/article/column/sakurasakura/

さくらさくら 歌詞 意味:保育園 うた 花ざかり(独自視点)

ここからは検索上位があまり触れない“保育園で扱うときの意味”に寄せた視点です。結論から言うと、「さくらさくら」の歌詞の意味を理解することは、子どもに知識を詰めるためではなく、“春を感じる言葉の型”を手渡すことに近いです。「花ざかり」という言葉ひとつで、「いま満開」「今しかない」「見に行きたい」という気持ちのまとまりが生まれ、季節の変化を言語化する練習になります。

特に「いざや いざや 見に行かん」は、命令でも説教でもなく、誘いかけの言葉です。保育の場では、ここを「さあ、見に行こう」の一言にして、次の活動(散歩、観察、制作)へスムーズにつなげられます。歌を“歌って終わり”にせず、行動へ橋渡しすることで、歌詞の意味が生活の中に定着します。

さらに、絵本や制作との相性もよいです。たとえば「霞か雲か」を絵にする時、正解を一つに固定しないのがコツで、子どもによって「もくもく」「ふわふわ」「きらきら」など表現が分かれてよい部分です。歌詞の意味を“唯一の答え”にしない運用は、感性の違いを尊重する保育に自然に合います。

最後に、園での実践用に、歌詞の難語を“短い言い換え”としてまとめます(説明しすぎない前提で、必要なときだけ使うのがおすすめです)。

  • 霞:遠くが白っぽく、ぼんやり見える春の空気。

  • 弥生:春のころ(むかしの3月の言い方)。

  • におう:①光で色がきれいに見える ②香りがただよう(場面で使い分け)。

  • いざや:さあ(誘いかけ)。

この歌は短く、繰り返しが多いからこそ、子どもが覚えやすい一方で、大人が意味を知ると“導入の一言”が上手になります。歌詞の意味を丁寧に理解しておくことは、年度の春(新入園・進級)に、園の空気を落ち着かせる大きな武器になります。


さくらさくら 通常版 – PS4