4歳児保育で大切にしたいこと|発達・接し方・ねらいの全ポイント
「ほめるほど子どもの自己肯定感が下がることがあります。」
4歳児保育の発達特徴と「4歳の壁」を知る
4歳児は「天使の4歳児」と呼ばれることがあります。 2歳の「イヤイヤ期」、3歳の自己主張の強さを超えて、意思疎通がスムーズになり、保育園生活が安定してくる時期です。 しかし実際には、自意識が急に芽生える「4歳の壁」と呼ばれる葛藤の時期でもあります。hoiku-shigoto+1
4歳児の発達を5つの観点で整理すると、次のようになります。
- 🏃 生活習慣:食事・排泄・衣服の着脱が自分でできるようになり、手洗い・うがいも習慣化してくる
- 👁️ 社会性:自他の区別がはっきりし、「見られている」という自意識・羞恥心・競争心が生まれる
- 🤸 運動:スキップや片足跳び、ジャングルジム・ブランコなど全身を使う動きが巧みになる
4歳児クラスは、保育士1人に対して子どもが30名という配置基準になります。 「言い聞かせれば分かる年齢」と安心しすぎるのは禁物です。 遊びが楽しくなると興奮してルールを忘れることは珍しくないので、クラス全体を常に把握する姿勢が求められます。
4歳児保育のねらいと保育所保育指針で押さえる接し方
保育所保育指針(平成29年告示)では、3歳以上児のねらいとして「健康・人間関係・環境・言葉・表現」の5領域が定められています。 4歳児保育では特に、子どもが主体的に物事に取り組める環境づくりが重要とされています。solasto-career+1
現場で使える4歳児クラスのねらい例を挙げます。
- 👫 保育者や友だちに親しみをもち、一緒に活動する楽しさを味わう
- 💪 体を動かすことを喜び、さまざまな運動に挑戦する
- 📖 自分の考えを相手に分かるように言葉で伝える
- 🌿 自然に親しみ、美しさや不思議さを感じる
- 🎯 友だちと一緒にルールのある遊びを楽しむ
保育士は「すぐに解決法を提示する」のではなく、「Aくんはこう思ったんだね。Bくんはこう思ったんだね。じゃあどうしようか」と問いかけ、子どもの考える力を引き出す役割を担います。 これが原則です。 子どもが自分で気づく過程こそが、4歳児の精神的発達を支える核になります。
参考:保育所保育指針の全文はこども家庭庁のサイトで確認できます。4歳児のねらい設定の根拠として役立ちます。
4歳児の感情コントロールを大切にするための具体的な支援
4歳児の情動調整(感情コントロール)は、実はまだ発展途上です。 3〜4歳の時点でも、プレゼントの贈り主の前でネガティブな感情を抑制できるという研究結果が報告されていますが、それは「表面上の抑制」であり、内側では感情の嵐が続いています。 つまり「おとなしく見える4歳児」が内側で葛藤している、ということですね。senshu-u+1
感情支援で保育士が実践できる手順は次の3ステップです。
参考)園児の感情コントロールを支援する方法!保育士のための実践的ア…
- 感情に名前をつける:「今、怒っているの?」「悲しい気持ちなんだね」と声かけし、感情を意識化させる
- 感情に寄り添う:否定せず、感情を表現することを肯定することで、子どもが素直に表現できるようになる
- ルールと日常を結びつける:「お友だちを押したらダメ」「順番を守って待とう」など簡単なルールで、感情をどうコントロールするか体験から学ばせる
感情に共感することなく「ダメ」だけを繰り返す指導は、子どもの自己表現を閉じさせます。 これは使えそうです。 感情を「出せる場」としての保育室が、4歳児の安心感の基盤になります。yoshii.ed+1
参考:保育士向けに感情支援の実践を詳しく解説しています。
4歳児保育で大切にしたい友だちとの関わりと社会性の育て方
4歳になると、友だちとの関わりが質的に深まります。 2〜3歳のころの「おもちゃを取った・取られた」といった単純なトラブルから、「なぜ仲間に入れてもらえないのか」「どうして自分の言いたいことが伝わらないのか」という複雑な人間関係の悩みに変わってきます。 厳しいところですね。hoiku.mynavi+1
社会性を育てるための具体的な保育の関わり方を整理します。hoikushi-worker+1
- 📣 子どもの話を最後まで聞く:クラスの人数が多いと「あとで聞くね」と後回しにしがちだが、途中でさえぎらず最後まで聞く姿勢が信頼関係の土台になる
- 🤝 トラブルの原因を知ろうとする:保育士が主観で一方的に叱責・指示をするのではなく、子ども双方の訴えを聞いてからアプローチする
- 👁️ 自意識を尊重する:「見られている」という意識が育っているため、他の子どもと比較する声かけは自己否定感につながりやすい
4歳児は仲間関係の中で「ルールを守る」「負けても次を楽しみにする」という感情調整を自然に学びます。 友だちとの関わりが発達を促す、が基本です。 保育士は直接サポートだけでなく、間接的に「気づける環境」を整えることが求められます。hoiku.mynavi+1
4歳児保育で見落とされがちな「主体性を引き出す環境づくり」の実践
多くの保育士が意識しているのは「関わり方」ですが、4歳児の発達を支える上で同じくらい重要なのが「物理的な環境」です。 保育士の言葉かけを減らし、環境が自然と行動を引き出す仕組みをつくることが、4歳児の主体性を育てる近道になります。 意外ですね。
環境づくりの具体的なアイデアです。hoiku-labo+1
- 🗂️ 遊びや生活に使うものは子どもの手が届く場所に配置する:自分で取り出して片づけることで「自分でできた」という達成感が生まれる
- 📷 生活の流れをイラスト・写真で見える化する:文字が読めなくても自分で確認して行動できるようになる
- ✂️ 制作素材(牛乳パック・紙コップ・紙皿など)を常時用意する:目的を自分で立てて何かを作る「創作意欲」が自然に高まる
- 🌿 自然に触れる時間を意識的に設ける:花・虫・空・天気への好奇心が知的探求の原点になる
4歳児は「やりたい気持ち」を持っています。 保育士がすべてをコントロールしようとすると、その意欲が萎んでしまうことがあります。 主体性を引き出す環境こそが条件です。
参考)4歳児の発達の特徴やできること、保育のねらいや接し方のポイン…
なお、4歳児クラスの環境設定については、保育者向けの専門書籍や研修でも頻繁に取り上げられているテーマです。日本保育学会が発行する『保育学研究』や、全国保育士会の研修資料を参考にすることで、さらに深い知識を得られます。
参考:4歳児の発達に合わせた保育のポイントを動画付きで解説しています。


